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【育業スペシャル企画】”子連れ単身赴任”を経験
元サッカー日本代表・大久保嘉人流 「家事と子育て」

 2021年に現役を引退したサッカー元日本代表の大久保嘉人さんは、4人の息子を持つパパ。
現役最終年、15年ぶりのセレッソ大阪復帰が決まった際、初めは単身で大阪に行く予定が、当時小学四年生の三男・橙利(とうり)くんが「俺も行く!」と言い出したことから、まさかの”子連れ単身赴任”生活がスタート。現役Jリーガーとして活躍する一方、家事や子育てを一手に担う“主夫”としても奮闘しました。
「味噌ナシ味噌汁」からのスタート 今では魚を自分で捌くほどの腕前に

 三男との単身赴任生活を開始した当初、インスタントの味噌汁を作ったとき、具だけ入れて、味噌を入れ忘れ、息子に「味がない!」と怒られました(笑)。また、目玉焼きを作ったときは、フライパンの蓋がなくて、素手でアチチと蓋をしたこともありました。
そんなある日、息子に「親子丼が食べたい」と言われたんです。作ったことがなかったのですが、マズくても食べられればいいやと、作り方をイメージして、試しに作ってみたら結構美味しく作れました。
 さらに、母が昔作ってくれた魚の煮付けが食べたいなと思って、魚を捌くとこからチャレンジ。まずは、SNSで捌き方をチェックして、味付けは「大さじ一杯」とか書いてあっても、どのスプーンで計ればいいのか分からなかったので、お袋の味をイメージして目分量で作りました。煮付けは一番の得意料理になりましたね。正解は分からないし、たぶん失敗だらけでしたが、色々試しながらやってみたら意外と何でもできるようになりました。

仕事と家事はしっかり切り替え! 完璧は求めず、とにかく「やる」だけ

  家事や子育てとの両立で、試合中のプレーなどへの影響も聞かれますが、サッカーはサッカー、家事は家事だったので、全くプレーに影響はなかったですね。ナイターの試合だと家に帰るのは23時くらい。ボロ負けして気分が最悪でも、帰ったら家でやることがあるので、試合のことは忘れていました。
  家事も子育ても完璧を求めたらきつかったかもしれないけど、完璧を求めず、やるべきことを出来る範囲で、とにかくやるだけでした。
サッカーだけでなく、家事でも何でも、やってみれば良い経験になるし成長できるってプラスに捉えていたから、それも良かったのかもしれないです。
  若いときは、試合でゴールキーパーとの1対1を外したときなんかは、めちゃくちゃ引きずって、寝ようとしてもずっとその光景を思い出してアドレナリンが出てしまって眠れない。だけど引きずっていると体調も崩すし「意味ないわ」と思い、試合が終わったら忘れようと心掛けました。それから、しっかり切り替えられるようになりましたね。

家事をため込むのはイエローカード! 鉄則は「早いうちに気づいたら動く!」

 家事に苦手意識がある男性も多いと聞きますが、どんなことでもやれば絶対できると思います。何もやらずに「大変、きつい」と言うのは言い訳かなと思いますね。僕も最初は出来なかったことでも、やれば出来たし、やって失敗してみないと上達もしない。上達すれば嬉しいし、意外と楽しくなってくる。
 あとは、家事が面倒くさくても後回しにせず、すぐにやることも大切だと思います。溜めこむと次やろうとしたときに余計嫌になるから、気づいたときに、嫌でも動く。動き出したら止まらなくなるし、その日のうちに終わらせれば、夜ぐっすり眠れて、翌朝もスッキリと、気持ちよく一日を始められる。この「スッキリ」がマジで気持ちよくて、これを実感するために頑張っていましたね。

妻からの「ありがとう」が原動力! 褒めるコミュニケーションでパパも主体的に

 パパが家事をするようになるためには、夫婦のコミュニケーションも大事かなと思います。僕は以前、皿洗いをして、最後に食器をしまう場所を間違えたら妻に怒られて「それだったらもう絶対やんない」ってなったことがあります(笑) 
 だから、完璧にできなくても怒らず、やったことに対して感謝すれば、パパは褒められたことが嬉しくて「じゃあ次もやるか」ってなる。それでやり続けると、今度はやらないと気持ち悪くなる。そうやって上手く“のせて”いけば、パパも主体的にやるようになると思います。
 今は家族6人での生活を再開していますが、息子と2人暮らしの時に嫌だった家事や、当時誰かにやってもらっていたら楽だったなって思うことを自然にやるようになりました。妻から「助かる」とか「ありがとう」と言われることが増えて、それはやっぱり嬉しいですよね。

大久保流! 家族と上手くいくコミュニケーションの秘訣

 僕は息子たちと友達のように何でも話し合える関係になりたくて、常に会話をするようにしています。息子達にも嫌なことがあったら「とりあえず言え」と伝えています。話すことで息子たちもスッキリするし、こっちから面白おかしく返して、笑いにつなげることもできる。会話の多い、楽しい家族だと思います。
 子供たちには伸び伸びと成長してほしいと思い、息子が落ち込んでいるときは、「気にするな。気にすると何もできなくなるから気にせずやれっ」と言っています。色々チャレンジして、失敗すれば何がダメだったのかも自分でわかるだろうし、様々な経験をして考えながら成長して欲しいです。

どんなことも自分の成長に 育業パパに知ってほしい大事なこと

 家事や子育ては大変だと言われますけど、大変なだけじゃない。どんなことでも自分の成長と思いながらやれば、楽しくなるんじゃないかと思いますね。まずは完璧を求めず、前向きに捉えて、楽しみながら色々やってみる。それが大事かなと思います。

 

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