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子育てマンガ「お手伝いは家族の絆」
プロフィール
エイイチ
東京のデザイン会社に勤めた後、フリーランスのイラストレーターに。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭インターナショナル・ショートフィルム・ショウケース部門優秀アニメ賞を受賞するなど、アニメ、漫画、イラストの制作で頑張るパパ。
お手伝いは“いいこと尽くめ”
子供が家事のお手伝いをしてくれるとパパママは嬉しいものです。でも、なかなか自然にそうはなりません。子供が楽しくお手伝いができるよう、パパには何ができるでしょうか。また、子供の成長にどんな良い影響があるでしょうか。
今回は、
子供がお手伝いをすることのメリットや、
子供のやる気を引き出すポイントについて解説します!
子供の「お手伝い」について、「育児相談室ポジカフェ」を運営し、児童心理を専門にコンサルティングをされている公認心理師の佐藤めぐみさんに伺いました。
年齢別のオススメの「お手伝い」や、やる気を引き出す効果的な方法についてもご紹介します!
お手伝いは“いいこと尽くめ”
子供がお手伝いをすることは、まさに”いいこと尽くめ”と言えます。主なメリットについて、ご紹介します。
1.自己肯定感や自己効力感が育まれる
お手伝いによって人の役に立つことを実感し、必然的に褒められる機会も増えることで、自己肯定感(長所だけでなく、短所やコンプレックスも含めて自分の存在を肯定する感覚)や自己効力感(「自分ならできる」「きっとうまくいく」と信じられる感覚)が育まれます。
それらは、将来、逆境に立たされた際に、乗り越える力に繋がります。
2.良い生活習慣が定着し、自立に繋がる
中学生くらいになっても身の回りのことが自分でできず、葛藤を抱えて、結果的に反抗が強くでてしまう子がいます。
幼い頃からお手伝いをすることで、自分のことを自分でやる力が身に付き、生活面・精神面ともに、自立を促すことに繋がります。
3.固定的な性別役割分担意識にとらわれなくなる
家族の誰もが家事をすることで、「家事は女性がやるもの」といった固定的な性別役割分担意識にとらわれなくなります。
4.親子の信頼関係が構築される
家族の中で役割を持つことで、家族の一員であるという認識を抱きやすくなります。
また、お手伝いを通じて、達成感を共有する機会やコミュニケーションの頻度が増えることで、親子の信頼関係の構築に繋がります。
5.パパとママの負担が軽くなる
子供がお手伝いをすることで、長い目で見れば、パパとママの家事負担の軽減に繋がります。
お手伝いをしてもらう際のポイント
次に、子供にお手伝いを促す際のポイントや注意点、上手くやる気を引きだすヒントをご紹介します。
1. できたことを褒める!できなかったことのダメ出しはNG
できたことをたくさん褒めてあげることで、自己肯定感・自己効力感を育むことに繋がります。
単に「えらいね!」などと伝えるだけでなく、例えば「〇〇ちゃんが雑巾でふいてくれたおかげで、こんなにたくさん汚れが取れたね。パパ助かったよ。ありがとう」等、具体的な言葉で成果や感謝の気持ちを伝えましょう。そうすることで、自分のお手伝いにどのような価値があったのか、実感しやすくなります。
一方、できなかったことを「責める」、「怒る」、はNGです。
2. できるまで温かく見守る
子供が作業をしているときに「そうじゃなくて、こうするんだよ」等と言って子供の行動を妨げてしまうと、子供のやる気や自己効力感を下げてしまいます。多少、失敗したり、スピードが遅かったりしても、自分でできるまで温かく見守ってあげましょう。これは、お絵かきや工作等、子供と一緒に遊ぶ際にも注意したいポイントです。
3.ご褒美は体験型のものに
お手伝いのご褒美にお小遣いや物をあげてしまうと、ご褒美をもらうこと自体が目的となってしまい、「パパやママの役に立ちたい!」、「もっと〇〇ができるようになりたい!」といった純粋なモチベーションが削がれてしまいます。「ありがとう」「助かるよ」と言葉で感謝を伝えるのが一番の基本ですが、親心としてご褒美系のものをあげたい気持ちに駆られたら、物をあげるよりは、“喜ぶイベント”をご褒美にしていきましょう。「手伝ってくれて早く片付いたから、一緒に遊ぼう!」とか、「今晩は大好きなグラタンにしよう!」など、体験として消化できるものの方がオススメです。ただし、頻繁にやりすぎるとご褒美自体の効果も薄れてしまうので、注意しましょう。
4.子供が楽しめる工夫を取り入れる
お子さんがお手伝いになかなか前向きになれない場合は、以下のような工夫をしてみるのはいかがでしょうか。
●ゲーム要素を取り入れる
例えば、餃子を包むお手伝いをお願いしたいときに、手元にタイマーを用意して「1分間で何個包めるか、やってみよう!」と促してみるのはどうでしょうか。お子さんの性格によっては、「どれだけ綺麗に餃子を包めるか」でも良いかもしれません。
●成果を可視化する
お手伝い表を用意して、1回のお手伝いにつき、シールを1枚貼るなどとしたら、成果が可視化されて、お子さんのモチベーションをキープするのに役立つと思います。
●お誕生日などのイベントを活用する
普段やらないような少し難しいことでも、非日常的なイベントのときであれば頑張れるかもしれません。「ママの誕生日に、パパと協力してケーキを作る」なんて素敵ですね!
年齢別のオススメのお手伝い&お手伝いを促すポイント
【1~2歳】
<オススメのお手伝い>
「ごみをごみ箱に捨てる」
「床のおもちゃを箱に入れる」
「自分でこぼした飲み物を、ティッシュで拭く」
<ポイント>
・自我が急速に発達し、「あれもやりたい!これもやりたい!」が増える時期です。やりたい気持ちをうまく汲み取って、子供のしたいことをやらせてあげると良いでしょう。
・お手伝いを促す際は、「お片付け」等の曖昧な言葉でなく、「この箱に、○○と○○を入れてね」というように具体的に伝えましょう。最後に「お片付けできたね。えらかったね」と伝えることで、その行為が「お片付け」であることを認識できます。
【3~5歳】
<オススメのお手伝い>
「混ぜたり、こねたりといった簡単な料理」(パウンドケーキやクッキー等、子供が好きで楽しめるものがオススメ)
「食べ終わった食器を運ぶ」
「道具を使った簡単な掃除」
「洗濯物を畳む」(タオル・ハンカチ等の四角いものは、折り紙の延長で畳みやすい)
<ポイント>
・既にマスターしたことを繰り返すことに興味を示さなくなります。洗濯物を畳むのであれば、タオル・ハンカチ⇒Tシャツ⇒靴下、といったように、少しずつ難易度をあげて、チャレンジさせてあげると良いでしょう。
・一旦お手伝いをやらなくなってしまうと、なかなか戻らなくなります。毎日の郵便受けの確認等、ちょっとしたことでも良いので継続的な役割を与えてあげると良いです。
【6~7歳】
<オススメのお手伝い>
「料理の下処理」(サヤエンドウの筋取り、卵割り 等)
「食卓の準備」(テーブルをきれいに拭いて食器を並べる、できあがった料理を食卓に運ぶ 等)
「お風呂掃除」
「洗濯物を畳んで、しまう」
<ポイント>
・「食卓の準備」をお願いする場合、単に「準備して」と伝えるのでなく、最初は「お箸とスプーンとお皿を出して。お皿が真ん中でお箸はお皿の前に、スプーンは右側に置いてね」のように細かく教えてあげると良いです。慣れてきたら、「今日のメニューは○○だから、何が必要かな?」と考えさせた上で、必要な食器を出してもらいましょう。
子供のお手伝いを促すキーパーソンはパパ!
パパもママも日常的に家事をしている家庭であれば、子供も「家族の一員として当たり前にやることなんだ」と認識しやすくなります。
一方、家事はほぼママ一人で行っている…という家庭の場合、子供も「家事=ママの役割で、パパもやっていないから自分もやらない」となりかねません。
家事をしたいけど、何をやれば良いかわからない…というパパがもしいらっしゃったら、まずは「子供のお手伝いの見守り役」という立場で、家事に関わってみるのはいかがでしょうか。
パパが見守っていることで、ママも安心して子供にお手伝いを任せることができ、家事もはかどり、何より親子の絆も深まって、”いいこと尽くめ”だと思います!