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子育てマンガ「調子に乗っちゃう夏」
プロフィール
エイイチ
東京のデザイン会社に勤めた後、フリーランスのイラストレーターに。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭インターナショナル・ショートフィルム・ショウケース部門優秀アニメ賞を受賞するなど、アニメ、漫画、イラストの制作で頑張るパパ。
パパにまかせろ! 夏の全力水遊び
照りつける太陽、立ち上がる熱気、蝉時雨。
今年も夏がやってきます!
クーラーの効いた部屋の中で過ごすのもいいですが、
せっかくの夏ですから、外に出てこの季節ならではの遊びを楽しみませんか?
中でも、子供たちが大好きな夏の定番といえば、
暑さを吹き飛ばしてくれる“じゃぶじゃぶ水遊び”ですよね!
余計なことを考えずにビショビショになれば、
子供たちも喜ぶし、パパ自身の気持ちもリフレッシュするはず!
子供はどんどん大きくなってしまうもの。
だから同じ夏は二度と来ないのです。
さあ、今こそパパの出番です!
びしょ濡れになるのもなんのその、
一緒に童心にかえって、はしゃいじゃいましょう!
やっぱり定番ですよね! あえて “本気”と書くあたりに限りないやる気を感じます。どんな水鉄砲を使うのか、気になりますね。
水鉄砲を海で! 全員水着でしょうから、これはさらに本気度が高いですよね。ビーチを走り回って汗をかいて、気持ちがよさそうです。
作るだけでも楽しい水風船。投げたり、割ったりと、楽しみ方もいっぱいあるうえに、それが大量にあったらテンションが上がること間違いなし。
こちらも定番ですよね。まだ公共のプールに行けない乳幼児にとっては最高の水遊びでしょう。
多くの方が子供のころにパパに作ってもらった思い出があるのではないでしょうか? 作るのに工夫の必要なところが楽しいポイントかもしれません。
夏の公園ではダントツの人気になりますよね。各地それぞれに個性があり、家とはまた違う楽しみがあります。
水遊びは子供だけでなく、パパも童心にかえって楽しめるのがいいところ。
子供のころには気づけなかった新たな発見もあるかもしれません。
保育のスペシャリストに聞く
「水遊びの大切さとオススメの水遊び」
みんなが大好きな水遊びは、子供たちにとってどんな効果があるのでしょうか?
兵庫県西宮市初の男性保育士で、現在は大阪教育大学教育学部准教授の小崎恭弘さんに伺いました。
水遊びは感触や感覚を学ぶ大事なもの
乳幼児にとって水で遊ぶことはとても大切です。
水は形がないように思いますが、器ですくえば器の形になり、手ですくえば手の形になります。上から落とせば、下に落ちます。つまり自分が操作した通りになる。水は遊ぶ側がやろうとしたことに逆らわないのです。この点から、水遊びは子供が主となれる代表的な遊びといえます。これは泥や砂も同じです。
こういった手で触ったり、目で見たりしながら楽しむ遊びのことを「感覚遊び」とか「感触遊び」と呼びますが、乳幼児にはとても大切です。遊びながら水の触感や冷たい・温かいという温度の感覚、さらには上から下に流れるといった自然界の動きの感覚を身に付けることになるからです。水遊びをたくさんすれば、感覚が豊かになります。大きくなってから科学を学ぶときも、感覚のベースがあれば、理解は深まるし、知識の習得も早くなるはずです。
小崎先生がオススメする水遊び その1 「色水遊び」
水鉄砲のような遊びももちろんいいのですが、「色水遊び」もオススメです。絵の具を使えば、とても簡単に様々な色のついた水を作ることができますよね。ただただ混ぜて色の変化を楽しむだけでも子供たちはものすごく喜びます。この色とこの色を混ぜたらどんな色になるだろうかと想像しながら実際に混ぜてみる。その結果、こんな色になった。なるほど!と納得し、また次の“実験”に進む。こうして子供たちは創造性を育んでいきます。
本当に飲むわけではないですが“ジュースごっこ”をするのもいいでしょう。色で味を想像しながら、みんなでオリジナルジュースを作っても楽しいですよ!
汚れてもいいような環境であれば、ボディペインティングをするのも盛り上がります。白いTシャツなどにかけて色がつく様子を楽しむのもいいでしょう。
また少し手間がかかりますが、絵の具ではなく草花で水に色をつけるのもオススメです。自然に触れる機会が増えるし、植物のことを知る機会にもなります。例えばアサガオで紫の色水を、ヨモギで緑の色水を作る。絵の具のように鮮やかな色ではないかもしれませんが、自然の微妙な色合いを楽しめます。
また、色に加えて洗剤や石けんを入れて泡立てるのも楽しい遊びです。シャボン玉にしても楽しいですが、洗剤などを入れた水のヌルヌルした感触や泡のふわふわした触感が体験できることはとても大事です。
小崎先生がオススメする水遊び その2 「樋(とい)遊び」
樋(とい)を作って遊ぶのもオススメです。雨を集めて地表に導く雨どいの簡易版を牛乳パックなどで作る。工作は意外と簡単です。紙パックを縦に半分に切って、注ぎ口のところから水が流れるようにします。これらを傾斜がつくよう段々にして並べます。スロープになっているところに並べてもいいですし、平らなところであれば、紙コップなどで土台を作って、高さを調節してもいいです。
樋ができたら、上から水を流すだけ。大人にとっては当たり前のことですが、水が上から下に流れていく様子を見るだけでも子供たちにとっては楽しいものです。
途中で牛乳パックの組み方を変えてもいいでしょう。傾きを変えたら、水の流れる勢いがどう変わるか。子供たちはそれを感覚的に知ることができます。
水は上から下に流れる。角度が急になれば勢いを増す。大人にとっては当たり前の「自然の摂理」を、子供は「不思議だな」「面白いな」と思いながら、学んでいくのです。
最後に小崎先生からメッセージ
大人は遊びというと、ルールがあるゲームとかおもちゃを考えがちですが、そんなものがなくても、子供にとっては水そのものが最大の“遊びの素材”です。ぜひ、そういう視点で水遊びをしてください。
毎年やってくるものですが、いつも待ち遠しい夏。日本には四季がありますが、夏の開放感はやっぱり特別。それは大人も子供も同じだと思います。
季節ごとに待っている楽しみを子供たちに伝えることも子育ての大事な要素ですよね。上手に伝えることができれば、子供たちの感性も磨かれていくのではないでしょうか。
そのためには大人も全力で遊ぶことです。ダイナミックに遊んで、本当に楽しんでいる姿を子供たちに見せてあげましょう。