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目次

子育てマンガ「食事のマナーって何?」

プロフィール
エイイチ
東京のデザイン会社に勤めた後、フリーランスのイラストレーターに。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭インターナショナル・ショートフィルム・ショウケース部門優秀アニメ賞を受賞するなど、アニメ、漫画、イラストの制作で頑張るパパ。

家族の食事が楽しくなる!パパに教わる食事マナー

食事のマナーは、一緒に食事を過ごす人達が、
気持ちよく楽しく食事をするために身につけておきたい心遣いのようなもの。
しかし、幼い子供たちにとっては覚えることも大変です。

そこで今回は、
パパが子供に伝えておきたい食事のマナーや伝え方を学び、
食事を通じて親子のコミュニケーションを深めてみましょう。

食事マナーを身につけるコツを知ろう

 「汚さない、残さない、音を立てない…。挙げ始めたらきりがない食事のマナーですが、根底にあるのは、皆で楽しく食事をすること。」と話す、爲我井(ためがい)あゆみさん。元幼稚園教諭で、現在は日本キッズ食育協会の理事を務める爲我井さんに、食事のマナーについてお話を伺いました。

食への感謝と食を楽しむ時間を覚えよう

 パパやママが子供に食事マナーを身につけて欲しいという思いを抱くのは、「自分達の目が届いていないときに誰かに迷惑をかけていないか」という心配があるからだと思います。そのため子供の発達段階でまだ難しいことであっても強要し、覚え“させよう”としてしまいます。覚えさせるのではなく、子供たちが“自然に身につける”ということを心掛けましょう。

 最初の目標は、個人差はありますが、例えば「小学生にあがり、皆でご飯を食べるときに、時間通りに食べられるようになるといい。」くらいの簡単なゴール設定にしておく方が良いと思います。

 はじめから食事のマナーを覚えることは容易ではありません。きれいに汚さず食べることの前に、「食事への感謝」と「食事を楽しい時間にする」というこの2つのマナーを覚えられると良いでしょう。
「いただきます」「ごちそうさま」を言うこと、ご飯を残さず、好き嫌いをしないこと、食べ物で遊ばないことなどは、自分がご飯を食べられるまでの過程を知り、感謝の気持ちを知ることで少しずつ覚えられます。

 また、子供に食事の楽しさを伝えるためには、注意をしすぎないことを心掛けましょう。 例えば、大人が決めた食事の時間に、子供はお腹が空いていないかもしれません。そのような状況で10分以上座りご飯を食べ続けることは、子供にとって苦痛になることもあります。何度も子供に注意してしまうことで、子供は食事をつまらない時間と感じるようになり、食への興味さえ失ってしまう可能性もありますので気をつけましょう。

 また、子供がわざとてこぼしているのか、うまく食べることができないからこぼしているのかによって対応を変える必要があります。前者であれば食の大切さを教え、後者であれば、少しずつできることから伝えていきます。

 子供は良いことと良くないことの判断がまだできません。そのため、良いことをした時は、“褒める”ことがポイントになります。褒めることで正しさを学び、次のステップに繋がります。

食事マナーは簡単なことから始めよう

 食事のマナーは年齢や発育状況に応じて、少しずつステップアップしていきましょう。

 ◯3歳程度まで
まずは、まっすぐに座り続けられるかを教えていきます。 対面の位置にパパやママが座ってあげることで、正面を向きながら座れるようになります。「おへそが机に向きあっていないと、ご飯は食べにくいにし、こぼれてしまうよ。」ということを伝えましょう。

 次に挨拶です。このくらいの年齢で、「いただきます」、「ごちそうさま」を言えるようになると良いと思います。食事をつくってくれたパパやママ、食材の生産者にまで届くように心を込めて言えると素敵です。

 次第に、スプーンなどを使い自分ですくいながら食べるようになります。ここではこぼしてしまうことに目をむけるのではなく、嚥下と咀嚼がリズムよく行えているのかに着目してください。自分のタイミングで、ご飯が食べられるようになることを覚えていきます。 子供がこぼしてしまったり、うまく食べられないときには、うまく食べられるような環境がつくられているかを確認します。

 例えば、机の手前側や腕の動く範囲のところに食べ物があると落としてしまいます。子供が食べにくそうにボロボロと口からはみ出していたら、食材が大きいのかもしれません。プレートの上で半分に切ることを覚えたり、自分が食べやすいサイズはどのくらいだろうと考えるきっかけも次のステップに進むために必要です。

 また、お子様ランチのようにワンプレートの上に様々なご飯が盛られているものがありますが、この状況でご飯をこぼさず食べるのは中々難しい工程です。 そのため、別のお椀に盛るなどの食べやすい状況をつくることも配慮の一つです。親は寛容な心で、うまくできたときに褒められるスタンスでいること。すると子供が自己肯定感を損なわずに成長できるようになります。

 ◯小学校入学前まで
この時期になると、筋力が発達し、指の使い方が上手になります。そのためお箸などの正しい持ち方などはこの時期を目処に覚えていければ良いと思います。

 次に、残さずよく食べることの大切さを伝えていきます。その際に、パパやママが押し付けようとすると逆効果。例えば「公園で元気に遊ぶためには、たくさん食べたほうがいいよ。」という伝え方をしてみてはいかがでしょうか?

 子供は食べられない、食べたくない理由を言語化できません。大人の場合は、胃もたれしているときに自分の意思で脂の濃いものを食べるのを控えられますが、子供にはその選択肢がありません。食べられないときには何か別に理由があります。その食材の調理の仕方が味覚に合わなかったのかもしれません。意外とあの手この手で味を変えると食べられるようになることもありますので、子供の様子をしっかり観察することも大切です。

食事が好きになるコミュニケーションを

 家族で楽しく食事をしようとするものの、例えば子供が料理で遊んだり、ご飯を粗末にしてしまうこともあるかもしれません。そんなときは、怒るのではなく「パパやママはそういうことをされると悲しいな」というように伝えます。

 仕事が忙しくなかなか食事を一緒にとれないパパ・ママの場合は、「今日のご飯どうだった?」というように会話をするだけでも充分です。 食事のマナーにおいて最も大切なのは、食事を楽しむということです。食事の時間が苦痛に思われないような心がけをしていきましょう。

大人のエゴでマナーを強要してしまうと、子供が食事の時間を苦痛に感じてしまうことがあります。ただじっと座っていることも子供にとっては簡単ではありません。
食事のみならず、子育てにおいては寛容な心で見守ることが子供の成長には大切です。食事を共にする皆が不愉快な思いをせず楽しい時間を共有するためにはどうしたらよいかを子供と共に考えながら、マナーを伝えていきましょう。