
娘の急成長に驚きの毎日 パパ出演作品への反応は
もうすぐ3歳になる娘は、「赤ちゃん」から「キッズ」になった印象です。この1年の変化、成長がものすごくて、年単位どころか、極端に言えば毎日成長しているのを感じますね。朝、保育園へ送り、夕方お迎えで再会すると、自分たちが教えていない言葉や情報をどんどん吸収しているので、「どこで覚えたの?」と、とても驚かされます。話す内容、語彙力、運動能力、感性どれをとっても、あらゆる面で個性を持った一人の人間なんだなとあらためて感じる毎日です。
現在、僕が声の出演をしている作品にスーパー戦隊シリーズ「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」があるんですが、最近、そのおもちゃを見つけたり、テレビ放送で流れているのを見かけたりすると「ゴジュウジャーだ!」と大声で教えてくれて。当然、まだ娘は僕の仕事を知らないのですが、それでもやはりうれしいですね。まだ、”声優”というシステムを理解してほしくない、という気持ちの方が大きいですが(笑)。
でもさすがに、僕自身の姿がテレビに映っている時は「パパだ!」とわかるようです。今はスマホで、誰でも簡単に動画を撮って見ることができる世の中なので、知っている人がテレビに登場することに違和感がないんでしょうね。
“イヤイヤ期”真っ盛りの娘に鍛えられる「大人力」
娘は今、まさにイヤイヤ期真っ盛り。一度スイッチが入ってしまったら、別のことで気を紛らわせたり、面白おかしく誤魔化したりすなどして、何とかその状態を収めるしかありません。けれど、落ち着いたあとに理由を説明しつつ、丁寧に「ダメだよ」と伝えると、ちゃんと理解してくれることもあります。急いでいる時や忙しい時に、機嫌を損ねられたり、ワガママを言われたりしてしまうと、恥ずかしい話、どうしてもイラっとしてしまうことはあります。でも、そのイヤイヤは「今はしたくない」という自己主張でもあると思うので、こちらも怒りのスイッチを切り替えて、ちゃんと向き合ってあげる必要があるんだなと学びました。
子どもが生まれて自分の中で変わったことと言えば、ルール無用の相手にどう対応すればいいのかと考えるようになったことですかね(笑)。これまでにはなかなか無かった経験というか、こちらの大人力が問われている感覚です。とはいえ、赤ちゃんの頃と比べれば、ずいぶん楽になりました。生まれたばかりの頃、僕はちょうど舞台出演中で、どうしても体力勝負なところがあり、夜中のミルクや夜泣きの対応などは、身体的に堪えるところがありましたね。妻と二人で協力しあい、なんとか乗り越えてきました。仕事のスケジュールに関しては、保育園のお迎えの時間に間に合うよう、できるだけ調整したり、子どもと一緒にいられる土日をなるべく休みにしたりと工夫しています。
声優パパの読み聞かせは盛り上がる⁈
仕事柄、多くの方から「絵本の読み聞かせは、さぞ盛り上がるでしょう!」と言われるのですが…うちの娘はお話を聞くというより、次の絵が気になってすぐにページをめくってしまったり、「今度はこれを読んで」と、別の絵本を持ってきてしまったり。そういったやり取り自体が楽しいようで、こちらがどんな風に読んでいるかには、まだ意識がいっておらず、いまだ声優としての力は生かせたことがありません(笑)。
その代わり、叱るときなど、意図的に声色を変えることはありますね。日常会話としての「ダメだよ」と、危険な時や周りに迷惑がかかってしまう時の「ダメだよ」は、全然違う声色だと思います。でも、それはきっと皆さんも自然にそうなっていますよね(笑)。
声優としてのテクニックを駆使した絵本の読み聞かせは、娘がもう少し大きくなってから、ここぞとばかりに全力でやってあげたいなと思っています!
家事・育児はチームで! 補い合い、学んで成長していく
私たち夫婦の家事・育児の分担は、特にルールなど決めておらず、お互いがやれるときにやるべきことをやっている感じです。妻も同じ声優の仕事をしているからこそ、お互いに甘えられませんし、文句も言えません。
例えば、夜に大事な食事会や打ち合わせがある時には、お迎えの時間までに一旦帰って、娘をお風呂に入れてご飯を食べさせ、歯を磨いてから出かけるようにしています。
どちらかに負担がかかり過ぎるのは良くないですし、そもそも、そうでもしないと子どもと一緒にいる時間ってなかなか作れませんから。女の子なので、「いつかはパパとお風呂に入ってくれなくなっちゃうんだろうな」なんて考えています。そう思うと、どんなに大変でも、今やれることをやるのが大事かなと。
僕は思いたったらすぐに行動するタイプで、そこに対する瞬間的な熱量は、かなり大きいと思います。逆に妻はじっくり考えて、ひとつのことを続けるのが得意なタイプ。なので、そのあたりはバランスが良いのかなと思っています。それぞれ得意・不得意、好き嫌いがあるからこそ、強みを生かし、弱点を補い合うのがチームなんじゃないかなと。そしてそれは、甘えでも善意でもなく、お互いが学んで成長していくことに繋がると思うので。
修復不可能な溝は作らない 思ったことは、その場で伝える
パートナーとのコミュニケーションで工夫しているのは、「これは伝えた方がいい」と思ったことは、なるべくその場で言うようにしていることです。自分を含めて、親としても人間としても、完璧な存在なんていない。ドアを開けっぱなしだとか電気をつけっぱなしだとか、そういう些細なことでも「相手が嫌だと思うことは改善していくべき」と考えています。言葉選びに関して、ついつい感情が入ってしまうこともありますが、基本的には事実をそのまま伝えるようにしています。その都度、お互いに「相手はそう思っていたんだ」と知ることが大事だと思いますし、少しでも我慢をしていると、それが積み重なって、後々取り返しがつかない溝になっていってしまうこともあるんじゃないかなと。映画でもドラマでも、よくあるじゃないですか。思いやりのつもりで我慢してため込んで、最後に全部吐き出して、気づいた時には、もはや修復不可能だった、みたいな。そんなの悲しいじゃないですか。だったら、思ったことは思った時に言った方がいい。何事においても、伝えるって大事ですよね。
下積み時代の思い出が詰まった公園で感じた幸せ
最近、下積み時代によく行っていた公園へ家族で出かけたんですが…やはり、とても感慨深かったですね。食べることすらままならない時代を過ごした思い出の場所に、声優という夢をかなえた今、妻と娘三人で訪れられるだなんて。本当に幸せなひとときでした。
僕の親は、父が厳格で、母は優しさにあふれた人。そういう環境で育ってきているからか、父親というのは「いけないことをしたら、それを正してくれる存在」というイメージが自分の中にあります。なので娘にも、「ただただ優しいパパ」だけでなく、どこかで「ちゃんと怒ってくれる人」と思ってもらえていた方がいいのかなと、最近はそんなことも考えるようになりました。もちろん家庭によると思いますし、本音としては、娘には無条件で僕のことを好いていてほしいですが(笑)。 どの親御さんもそう感じられているのかなと思いますが…僕にとって娘は、生まれてから、どんどん”愛しさ”を更新し続けてくれている存在です。いつだって「今」が一番かわいい。今後もそういう風に感じられる自分でありたいですし、そういう子に育ってくれるような環境を用意してあげたいです。
理想像などは特にありません。とにかく健康で、人様に迷惑をかけず、自分のやりたいこと、興味のあることを存分にやってくれれば、それだけで十分です。
子どもはかわいい、でも大変 でもやっぱりかわいい‼
家事にしても育児にしても、ご家庭それぞれの向き合い方や形があるはずで、正解なんてないと思います。保護者としての自覚を持ち、それぞれが無理のないスタイルで、いかに子どもが子どもらしく、幸せに過ごせるかを第一に考えてあげることが大切なのかなと。パターン化せず、その時その時のベストを模索していけたら素敵だなと思いますね。子どもは最高にかわいい。でも、子育ては最高に大変(笑)。それでも…そんな大変と感じる時間を含めて、やっぱり最高に愛しいんですよね。子育て中の皆さんなら、きっとわかってくれるんじゃないかと思います。これからも一緒に、全力で頑張っていきましょう!