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~大塚製薬株式会社~
多様な社員の活躍により、イノベーションやグローバル化を深化

 ダイバーシティの概念が浸透していなかった1980年代から多様な人材の活躍が必要と考え、経営トップ自らダイバーシティ意識改革に取り組んできた大塚製薬株式会社。トップダウンの仕組みづくりだけでなく、社内セミナーやHP・社内報等を通じての理解促進、若手の男性社員からの積極的な社内での情報発信等により、男性の家事・育児参画に向けたマインドチェンジが進みつつあるという状況について伺いました。

取材にご対応いただいた方

田中 静江さん
人事部 部長補佐(兼) 

コンプライアンス部 部長補佐(兼) 

ダイバーシティ推進プロジェクトリーダー

田中 静江さん
水原 賢さん
医薬品事業部 メディカル・アフェアーズ部 

係長

水原 賢さん
取組のきっかけ

 当社には、「Otsuka-people creating new products for better health worldwide」(世界の人々の健康に貢献する革新的な製品を創造する)という企業理念があります。従業員一人ひとりの心身の健康を守りながら、国籍、人種、年齢、性別、障がい、性的指向などの多様化する社員が活躍できる職場づくりに取り組んできました。
 近年では、男性社員からの家事・育児にも取り組みたいというニーズも大きくなり、会社としても性別に関係なく生活と仕事を両立できる職場づくりが重要と考え取組を進めています。

「男性の家事・育児の参画」を促す企画、支援制度について
管理職の意識改革

 若手の男性社員が育児に参画したいというニーズは増えていますが、役職、年齢が高くなればなるほど「そうは言っても…」という反応もありました。
 男女共に家事・育児や介護などにより時間的制約のある人が多くなっている現状を踏まえて、管理職の意識改革がさらに必要と考え、「イクボス」セミナーを開催しています。
2019年、2020年は役員を含む全ての管理職がセミナーを受講しています。
 さらに、コロナ禍で在宅勤務が進んだことで、マネジメントの仕方も、チーム力を高めるためのマネジメントが求められています。 女性のみならず、男性の中にも時間的制約のある人がいることを認識し、管理職の意識も変化しつつあると感じています。子供が生まれた男性社員に上司から「育休取るよね」と声をかけるような雰囲気も少しずつ浸透してきました。

イクボスセミナー(2019)の様子イクボスセミナー(2019)の様子

若手社員による情報発信

 若手社員側からマインドを変えようという動きも見られます。有志の勉強会チームがビデオを製作しました。男性社員が育児休業を希望し、取得した場合のケーススタディを示しています。若手の社員が自らビデオに出演し、セリフも自分たちで考えたもので、実際に管理職研修で使用するなどしています。このことがマインド形成にどのくらい寄与しているかまではわかりませんが、若手からも生活と仕事の両立に向けた発信が行われやすい空気があるのは確かです。

 また、社内報等で育児休業を利用した男性社員を紹介することで、これから育休を取得したいと考えている男性職員の後押しに繋がり、ロールモデルの役割を果たしています。

企画、支援制度に対する社員の反応

 男性の育児休業取得率は、2019年で45.6%、2020年12月現在で76.2%です。社内制度やマインドチェンジの取組が数字にも確実に表れてきています。
 また、直近では在宅勤務が進んだことで、子供の送り迎えをしたり、夕飯を一緒に食べたりすることができるようになり、子供の成長に気づく機会が増えたという声は男性社員から多く聞かれるようになりました。

~5ヶ月間の育児休職を取得した男性社員(水原さん)の体験談~

 1人目の子供が生まれる際は、仕事に集中したいという思いもあり、育休は取得しませんでした。 2人目の子供が生まれる際、妻から「働きたいので育休を取得してほしい」と言われ、戸惑いもありながら、2人目が6カ月のタイミングで5か月間育休を取得しました。
 育休取得の1年前から上司や同僚に意向を伝え、上司・同僚は最初、驚きながらも応援してくれました。引き継ぎや役割分担の変更も1年前から準備したことでスムーズでした。
 育休中はしんどいこともありましたが、いい経験でした。妻にこれまで押し付けていた部分が見えてきたり、妻の両親から感謝されたりしました。今では妻がいないときでも2人の子供の面倒を見る自信があります。
 復帰してからも、これまでは長時間労働を前提に働いていたのが、タイムマネージメントをしながらいかに成果を出すかにマインドが変わりました。
 育休を取得する際に、多くの人から「すごい」と驚きをもって受け止められましたが、このこと自体が家事や育児を男性がすることへの意識が一般的でないことを表していると思いました。
 自分なりに調査したところ、日本の男性育児支援制度は世界最高級であることを知り、とても驚きました。社内制度もそうですが、仕組みはあるのに、それを知らない、あるいは知っていても使う勇気が持てない、この状況は育児休業を取得する男性や家事・育児に携わる男性が増えることによって徐々に広げていくしかありません。個人的な活動として、部内の人に育休に関する様々な仕組みや自身の体験をレクチャーし、自分ごととして考えてもらうように取り組んでいます。

5ヶ月間の育児休職を取得した男性社員(水原さん)
「男性の家事・育児の参画」を促す企画、支援制度の効果

 育児休業を取得する人が増えると、ますます取得しやすくなるという良い循環が生まれます。水原のようにしっかり仕事をしている社員が育児休業を取得すると、上司も周囲も取得に前向きになると思います。
 また、社外の人の意見がマインドチェンジに繋がることもあると思います。例えば「自分が育休を取ることになったら、これまで関係を築いてきた取引先がどう思うか」と考えると育児休業が取りづらくなるものですが、水原が5ヶ月間の育児休業を取得した際には、取引先の病院の先生から、「すごいですね」、「大塚さんは制度が整っているんですね」、「いい会社ですね」という驚きと肯定の声をいただきました。
取引先は育児休業を前向きに捉えていることを社内で広く共有することで、マインドチェンジに役立てたいと思っています。

今後の展望

 男性の育休取得率が大幅に上がっているとは言え、まだ取組が十分だとは考えていません。社内で制度の周知や雰囲気づくりをもっと浸透させることが最優先です。ダイバーシティ推進の担当者サイドでは種々の情報を社内発信していますが、まだまだ探しに行かないと必要な情報に辿り着けない社員が多いと感じています。皆が情報を十分得て理解し、育児休業を取得するかしないかは本人次第、というレベルまで引き上げるのが目標です。育児に参画したいという男性社員が自らその声をあげやすい状況、そして上司や周囲の社員も寛大な気持ちで最大限サポートする体制づくりを進めていきます。
 チームの一員が休業することにより、一時的に忙しくなったり、大変になったり、業務効率が下がることもあるかもしれません。しかし、長い目で見れば、生産性が高まり、モチベーションも業務効率もプラスの方向に進むことに繋がると考えています。

大塚製薬のダイバーシティに係る取組はこちら

https://www.otsuka.co.jp/csr/employees/diversity/