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~明治安田生命保険相互会社~
多様な人財が意欲と能力を最大限に発揮できる環境や仕組みづくり

 従業員の多くを女性が占める明治安田生命では、多様な人財が活躍できる職場づくりを経営戦略上の重要な課題と位置づけ、様々な社内制度づくりや、従業員の意識改革に取り組んでいます。試行錯誤を繰り返し、男性の家事・育児参画を当然に受け入れる風土づくりを進めてきた明治安田生命に、具体的な取組について伺いました。

取材にご対応いただいた方

執行役員人事部長 浅野芳一さん
執行役員人事部長
浅野芳一さん
人事部ダイバーシティ推進室 室長 淡路なな恵さん
人事部ダイバーシティ推進室 室長
淡路なな恵さん
人事部ダイバーシティ推進室 

主任スタッフ

大村友希さん
運用資産部運用審査G 

主任スタッフ

中川原光さん

取組のきっかけ

 明治安田生命は営業職を含めると約9割を女性従業員が占める一方、2012年時点では女性管理職がわずか3.8%に留まっていました。
今後、急速に変化していく社会・経済環境の中にあって、女性・障がい者・シニア層等、多様な人財の活躍が会社の発展に不可欠であるという経営トップの認識のもと、人事部内にダイバーシティ推進室を立ち上げました。男女関係なく活躍できる企業となるためには、男性も家事・育児参画を行うのが当然という前提に立ち、経営者から管理職、一般従業員まで意識改革を図ってきました。

「男性の家事・育児の参画」を促す企画、支援制度について

 社内イントラの「ダイバーシティ&インクルージョン推進サイト」に男性の育休取得のロールモデルとなる社員の体験談を掲載しています。育児休業を取得するためどんな準備、調整をしたか、休業期間中をどのように過ごしたか、そして休業を取得した結果、家庭や自分自身にどんな変化があったかを写真と共に紹介することで、これから育休取得を考えている男性社員の不安を軽減するとともに、育休期間を有意義に過ごすヒントを伝えています。

サイト

ブック

 「パパのためのワーク・ライフ・マネジメントハンドブック」という冊子を制作しています。妊娠中の配偶者をどのようにサポートするか、「パパとママが笑顔でいるために」など興味関心を引く内容と共に、社内の育児支援制度を説明し、家事分担方法をチェックシートで紹介しています。 それぞれの家族の状況に応じて柔軟に調整できるように工夫しました。

「パパのためのワーク・ライフ・マネジメントハンドブック」(抜粋)

 また、育児休業からの復職支援セミナーを毎年開催しています。キャリアの中断をできるだけ短くし、育休からのスムーズな復職をサポートするのが目的です。その中では、男性と女性の双方で家事・育児を担う(シェアする)ことの大切さも伝えています。先輩社員から、「配偶者に仕事と子育ての両立のためにこうしてもらったらいいよ」というように、自身の体験に基づいたアドバイスも伝えてもらっています。受講している社員のみならず、その配偶者のマインドチェンジも図れればと思っています。

 上司に向けた取組も行っており、部下の男性の育児休業の取得に向けた取組を得点化する「ワーク・ライフ・マネジメントプログラム」を毎年実施し、所属の評価に反映しています。
最近では評価されるからということとは関係なく、所属長が部下に育休を推奨し、部下が当然に育休を取得するというマインドチェンジにつながっていると思います。また、男性の育児休業に理解のある上司の下では、女性社員も働きやすいようです。

〜育児休業を取得した男性社員(中川原さん)の体験談〜

 育休は、妻が里帰り出産から戻ったタイミングで取得しようと思っていましたので、事前に上司や周囲の方に仕事のスケジュール調整や引継ぎを行っていました。育休の間は、授乳以外の家事、育児を行うことで、改めて両親への感謝の気持ちや、妻も含め多くの人への尊敬の念が生まれました。
 現在、妻が2人目を妊娠中です。「パパのためのワーク・ライフ・マネジメントハンドブック」は2人目を妊娠した後に読みました。社内の制度は意外に知らないことが多く、ハンドブックにまとまっていることで、これまで知らなかった育児に役立つ制度を知ることができました。
 前述の「ダイバーシティ&インクルージョン推進サイト」に、自身の体験談を掲載してもらっていますが、社内の知り合いからも反響が大きく、しばしば同輩、後輩から育休について相談を受けます。そんな時、若手のマインドチェンジが進んでいることを実感します。
 育児休業の経験以降、早く帰宅できるように心掛けており、以前よりも一層効率的、生産的に仕事をするよう意識しています。
 現在、コロナ禍のため、出社は週に1、2回です。在宅勤務日は、子供と一緒に朝食をとり、オムツの交換を済ませてから仕事を始めます。昼休みは30分程度、近所の公園に散歩に出掛けています。妊娠中の妻からとても感謝されています。

中川原さん

D&I推進サイト_中川原さん1

D&I推進サイト_中川原さん2

「男性の家事・育児の参画」を促す企画、支援制度の効果

 ダイバーシティ推進室発足当時は、まず形を作ることに注力し、必ずしも成果がすぐに出たわけではありませんでしたが、いろいろな会社の取組を研究して制度を整えました。10年が経過して中身が伴ってきた実感があります。
 2010年、男性の育児休業取得者は0名でした。ダイバーシティ推進室が設置された2012年は13名、そして2020年度は141名の対象者全員が育児休業を取得しました。取組を通じた風土醸成により取得者が着実に増加してきました。

今後の展望

 2021年度から、明治安田生命は従来の「仕事」と「生活」の両立を目的とした「ワーク・ライフ・バランス」から一歩前進し、「仕事」と「生活」の好循環を重視する働き方をめざし、上司もそれを支援し組織全体として取り組むことにより、生産性の向上をめざす「ワーク・ライフ・マネジメント」にフェーズチェンジを行いました。 仕事とプライベートの時間配分や両立は、「公」と「私」が別物としてバランスをとるという考え方ですが、「ワーク・ライフ・マネジメント」では会社も従業員も、自らが積極的に仕事とプライベートの時間をしっかりマネジメントし、仕事だけでなく家庭においてもどのような課題があるのかをマネジメントしていきます。 育休取得も単に推進するだけでなく、中身の伴った休業とし、クオリティを高めていきたいと思います。形はできても中身が伴わないと従業員のエンゲイジメントは高まりません。ワーク・ライフ・バランスからワーク・ライフ・マネジメントへのフェーズチェンジの狙いはそこにあります。
 男性の家事・育児への参画をはじめとするダイバーシティ推進の取組を企業の競争力、生産性にどうつなげていくか、これが今後の大きなテーマです。これまで男性が中心となって会社の方針を決めてきましたが、地域型職員を含む女性の管理職登用を積極的に進めることによって、女性の意見も経営に取り組むことで、お客様に寄り添うことになり、生産性の向上にもつながってくると思います。 ダイバーシティ&インクルージョンをさらに進めることで、従業員のQOLと生産性を上げていくことを目指しています。

明治安田生命のダイバーシティ&インクルージョンの取組はこちら

https://www.meijiyasuda.co.jp/profile/csr/employee/management.html