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3児のママ・横澤夏子さんインタビュー
一日を無事に終わらせられたら優勝!

 3人のお子さんを育てながら、バラエティ番組やお笑いライブ、CMなどで大活躍の横澤夏子さん。 “なっちゃん”の愛称でも親しまれる横澤さんに、慌ただしい毎日を乗り切る秘訣や、子育てを通じて夫婦に生まれた変化などについてお話を伺いました。
横澤夏子さん写真
3人の娘たちとバタバタな毎日

 4歳、2歳、1歳(※取材時)の娘たちを3人とも保育園に預けていて、私はその間に仕事をしています。毎朝子どもを保育園に送り出すまでと、夕方お迎えしてから寝かしつけまでが一番大変ですね。
 朝5時に三女が起き、その後続々と家族が起き出し、6時から朝ご飯。保育園の支度は夫がしてくれるので、その間に私は子どもたちに食事をさせてから、歯磨きと着替えをさせて7時25分に夫が3人を保育園に送り届けます。
 夕方は私がお迎えに行き、17時半に帰宅。お腹が空いているとイライラしちゃうから、夕飯の支度の前に、私がまず何か口にします。シュークリームとか、カロリー高めのお菓子が多いですね。そして、朝、作り置きしておいたおかずを「朝の横澤夏子ありがとう」と言いながら温め、18時に夕食です。18時半からは、遊んだり話をしたりしながらお風呂。その後もエネルギーが有り余っている子どもたちと鬼ごっこなどで盛大に動き回り、20時に消灯。ようやく3人が寝てくれた21時以降が自分の時間です。

横澤夏子さん子育て写真
全員寝かしつけた後の達成感!
何事もない日は奇跡! 子どもたちの「初めて」で楽しみも3倍!

 子どもたちは毎日当たり前のように保育園に行っていますが、風邪や発熱で行けないとなると「今日一日どうする!?」と毎回綱渡りです。ベビーシッターさんや病児保育など保険はいくつか用意しているんですが、突然だと対応が難しいことも。私か夫どちらかの都合をずらしてどうにか対処できないかとか、作戦会議がいつも本当に大変。一日が何事もなく終わるって、奇跡みたいなものだと感じます。
 でも、楽しいことも3倍です。長女は「世の中は私のものよ」みたいな仕切りたがり屋で、次女は恥ずかしがり屋、三女は目が合っただけで笑ってくれる。3人とも性格が違いリアクションもそれぞれです。
 子どもの「初めて」に出会うのも楽しいですね。初めて雪を見たとき、初めての遠足でお弁当を作ってあげた時、初めてお友達から手紙をもらった時など、「こういう顔になるんだ」とか「こういう感情になるんだ」とか、かわいいですね。私も自分が覚えていない子どものころの「初めて」を追体験できるし、かけがえのない体験を味わえるのがすごく嬉しいです。

横澤夏子さん家族写真
家族で行った遊園地でランチタイム
“なっちゃん流” 心に余裕を持つ思考法とは?

 育児の都合で、やりたい仕事をお断りしなきゃならないこともあります。それって子どものせいでも、私のせいでもない。そんな時は「きっと、今は神様が働くなと言ってるんだ」と神様のせいにすると、気持ちがすごく楽になる。どうにもならないことだと、あきらめがつきます。それから、私、朝ドラが大好きなんですけど、朝ドラはだいたい木曜日に泣かせに入って、金曜日に「来週もいいことあるさ、頑張ろう」で終わるんですね。辛い時には「木曜日なんだ」と思うようにして、「夏子は落ち込んだのであった。この後いいことが起こるとも知らずに」と脳内で自分の状況にナレーションをつけるんです(笑)しんどい時こそ、出来るだけ客観視して、心に余裕を持つようにしています。

子どもが増えて「気負い」が「開き直り」に

 1人目の時は、あれもこれも「絶対に私がやる」と気負っていました。それが、2人目になると、夫にも動いてもらわないと「手が足りない」、3人目では「何事も完璧にはできないんだ」となって、開き直れたというかあきらめがついたというか。
 夫に対しても、最初の頃は「お昼寝させてなかったの?」とか「洗い物、朝のままじゃん」とか、家に帰るとダメなところ、やっていないことばかり目がいっちゃって、よく喧嘩になって、「もう一人横澤夏子が欲しい!」と思っていたけど、そうじゃないんだと気づきました。まずは「子どもを見てくれてありがとう」なのだと。私のルールだけじゃなくて、夫のルールもある。
 全部私の思い通りにしなくてもいいとわかってきて、家事・育児の分担の満足度もだいぶ変わりました。今の満足度は80%か90%くらいかな。残りの10%は「ありがとう」の言葉だったりします。「大変だったね、ありがとう」と言ってくれたら、いくらでも頑張れる。大変だったとわかってもらえて、なおかつ「ありがとう」までつけてくれたら、すごいハッピーだなって思うんですけど。

横澤夏子さん写真

夫が育業を経験して夫婦に生まれた変化

 3人目が生まれた時、夫が育業をしたんです。育業中に1ヶ月健診や予防接種に行ってもらった時、紙に書くのも全部夫にやってもらって、「行けば必ず誰かが教えてくれるから大丈夫」と言って送り出しました。その後、私が「今日は健診に行ってくるね」と言ったら、初めて「ありがとう」と言ってくれたんです。育業をしたおかげで、「健診は自分も行けるもの」という感覚に変わったんですよね。逆に私もそれまでは、健診は自分が都合をつけて行くものだと思い込んでいたけれど、頼って良かったんだと気付きました。いろんな部分がお互いに成長しているんですよね。

「名もなき家事」分担のモヤモヤも「10点ゲーム」で解消!

 夫婦の家事分担は「10点ゲーム」で決めています。家事を10個並べて、「一番嫌」な10点から「嫌じゃない」の1点まで点数を付けます。夫は料理が10点、洗濯物畳みが2点で、私は洗濯物畳みが8点なので、「料理は私がするから洗濯物畳みはお願いね」と分担できる。互いに気持ちの負担が軽いものをするから、ストレスもそんなにかからないんです。
 「名もなき家事」で言うと、例えば「ごみ捨て」のごみ袋をセットするというのが、あるじゃないですか。一度夫婦で「ごみ捨て」について話し合った時に、ごみ集めとごみ捨てで分けようと。なおかつ、ごみ集めをした人が、ごみ袋をセットするというルールまで細かく作って分担しています。「名もなき家事」も、項目として書き出して、お互いに点数を付けて見せ合うと「えっ?これはその点数なんだ」と盛り上がるし、夫婦で楽しみながらモヤモヤが解消できたらいいですね。

自分へのご褒美は「箱根」と「熱海」

 週末は長めのバスタイムで疲れを癒しています。子どもを寝かしつけた後、電気を消してロウソクを焚き、1時間しっかりお風呂に浸かる。私はそれを「箱根」と呼んでいて、たまに2時間コースの「熱海」になることもあります(笑)。夫から「今日箱根行くんだっけ?」「熱海でもいいよ」と言ってくれることもあり、その会話も楽しくて。
 週末の夜を充実した楽しい時間にするために、お友達を呼んで子どもが起きないようにリビングでおしゃべりをする「ひそひそ声のお茶会」をすることもあります。体は疲れていても、お友達と話すと心が元気になってリフレッシュできますね。

よしもとの劇場に託児所を作りたい 子育て中のパパママにも笑いを!

 子育てをしていると子どもを見て可愛いと笑みがこぼれることはあっても、腹の底から笑うことって案外少なかったりします。劇場でネタをしている時も、赤ちゃんが泣き出して「すみません」と出ていくお母さんたちをよく見ていたので、よしもとの劇場にお客様のための託児所があったらいいのにとあちこちで言っていたんですね。そうしたら大宮の劇場に仮設の託児所ができたんです。私はベビーシッターの資格を持っているので、保育士さんたちの応援にいったら、託児所を利用したお母さんから「本当に楽しかったです」と言ってもらえて、私もすごく嬉しかった。子育てで忙しいパパママたちのために、いつか常設の託児所を作るのが夢です。
 街で自分と同じくらいの子どもを連れたパパママを見かけると、いっぱい仲間がいるんだと勇気づけられるんですよね。お互い頑張りすぎずに「今日一日を無事に終わらせることができたら優勝だ!」くらいの気持ちでいきましょう。

横澤夏子さん写真