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  5. 第21回:(インタビュー)野々村友紀子さん お陰様とお互い様。相手を理解する気持ちを育てよう 

 パートナーと家事をする中で、お互いの価値観の差異や、育ってきた環境により不満を感じることもしばしば。相手に求めすぎているのか、自分が気にしすぎているのか。そんなモヤモヤを抱えながら日常を過ごしている方も多いと思います。

 そこで今回は、夫の家事への考え方、担い方を一転させ、著書『夫が知らない家事リスト』を出版された野々村友紀子さんに、家事や育児に対する夫婦間のコミュニケーションのコツや家事分担の考え方についてご自身の体験を基にお話しいただきました。

家事が”できない”ではなく、”知らない”

 今年で、結婚して約18年が経ちますが、2年前にようやく一つのことに気がつき、そこから夫婦仲は一変しました。私の夫は、家事ができないのではなく、家事の全体構造が理解できていないだけだったということです。

 例えば”ゴミ出しをする”という家事には、各部屋のごみをまとめたり、分別をしたり、ゴミ袋を設置したり、ゴミ箱をふいたり、まとめたゴミを捨て忘れないように玄関に置いておくなど、いくつも行程があります。それを夫は、玄関からゴミ収集場にもっていくだけを”ゴミ捨て”だと思っていました。私の”ゴミ捨て”と夫の”ゴミ捨て”には認識に相違があり、そのような小さな不満が苛立ちになり喧嘩へと発展していました。

 そこで、自分の行っている家事の詳細をリストアップしました。いわゆる家事の見える化ですね。

 

 作った家事リストを夫に見せたことで、夫は初めて家事の全体構造を把握し、作業内容にどれほどの差があったのか、家事の一部分しか行えていなかったのかを理解してくれました。

 それからは、過去の不満が嘘だったかのように、率先して自分ができる家事を行ったり、先回りをして家事を担ったりと気遣ってくれるようになりました。これまでの喧嘩や揉め事が一切なくなり、今は不満が全くありません。ここに至るまでには相当苦労しましたけどね。(笑)

 私と同様に、大勢の夫婦が、“なぜわかってくれないのだろう”と不満を抱いているかもしれません。しかし、相違があるのは仕方ありません。話し合いをしてそのからくりを紐解くと関係は大きく変化しますよ。

パートナーと気持ちよく家事をおこなうための秘訣

 妻も夫も家事をすることが当たり前になってしまうと感謝が薄れてしまいます。食事があること、洗濯物が畳んであること、部屋がきれいであること。これらの当たり前のことに対して、取り組んでくれたパートナーへ、誠意をもって感謝の気持ちを伝えることから始めてはいかがでしょう。それだけでもお互いが今後も気持ちよく家事に取り組めると思います。

 次に、完璧を求めないことです。家事には得意不得意や、好き、嫌いなどがあります。私の場合は、アイロンがけやTシャツを畳むことが嫌いです。このようにパートナーにもできないことや苦手なことがあるので、それを理解してあげることで、粗探しをすることも苛立つこともなくなると思います。

 また、人それぞれ物事に対する価値観に差があり、自分が嫌悪感を抱くことについて、きちんと伝えることも必要です。例えば、私が洗い物を終えたあとにスポンジをしぼり、シンクをきれいに拭いてある状況が食器洗いの完了だと考えていても、夫は、食器だけを洗い、スポンジをしぼることやシンクを拭くことをしなかったとします。

 その場合、「ごめんね、私はこの状況だと、不潔だから嫌なんだよね」と、理由や自分は嫌だということを伝えます。案外、「そうだったのか、知らなかった、ごめんね!気をつけるね。」といったコミュニケーションになることが多いので、小さい問題のときに伝えることが大事ですね。また、自分が我慢すると決めたらそのときは我慢し続けましょう。伝えるのか、伝えないのか、我慢するのか、その狭間で気持ちが都度揺れ動いてしまうことが最も精神衛生的に良くないと思います。

 言い方や伝え方は相手によって様々です。そのため正解があるわけではありませんが、「〇〇して」「〇〇やって」というような言い方よりは、「〇〇してくれるとわたしは助かるな」と伝え、助けてもらったときには、感謝や私より上手と褒めるようにしていますね。コツは、「パートナーが育つことで、将来自分が楽になる」という投資の意識をもつことです。(笑)

ライフステージに合わせて話し合いをしましょう。

 結婚は、お陰様とお互い様の精神で成立していると思います。また、家事はパートナーや家族への愛情があることで、続けることができます。結婚前や、結婚当初は各々、家族や夫婦間の関係性に理想があると思いますが、それを求めたいなら、しっかりと話し合いをし、自分たちのベストをみつけていきましょう。また、子供の成長や自分たちの仕事の状況によって、家事リストは変化していきます。定期的に家族について話し合いをする時間を設けてください。自分の仕事の状況、家族にかけられる時間の割合など話し合うことでパートナーがより一層家族と向き合うようになると思いますよ。