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目次

子育てマンガ「はじめてのリンクコーデ」

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プロフィール
エイイチ
東京のデザイン会社に勤めた後、フリーランスのイラストレーターに。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭インターナショナル・ショートフィルム・ショウケース部門優秀アニメ賞を受賞するなど、アニメ、漫画、イラストの制作で頑張るパパ。

パパはスタイリスト!子供の服をコーディネートしよう

子供が着る服はパパ・ママが選ぶことが多いのではないでしょうか。
しかし、毎日どんな服を着せたらいいか考えるのは大変ですよね。

そこで今回は
子供の服選びのコツをご紹介。
今注目のリンクコーデを家族で楽しむコツもお伝えします。

服の機能を知り、子供が快適に過ごせる服選びをしよう

 服の機能や選び方を知ることで、子供の健康や安全を守ることにも繋がります。
そこで、長年に渡り、衣服の働きを研究している横浜国立大学教育学部教授の薩本弥生さんに、子供の服の選び方について伺いました。

服の役割を理解しよう!

 服には体温調節をサポートする役割があります。
子供は体温調節機能が発達しておらず、常に一定の体温を保つ大人とは異なり、暑いと体温が上がり、寒いと体温が下がるというように気温の影響を受けます。
そのため、気候や気温をもとに服を選んだり着替えさせたりするだけではなく、子供を観察し、暑さ・寒さの感覚を聞きながら判断するようにしましょう。

 子供は大人に比べて、基礎代謝が高く、発熱効率が高いため、特に冬の服装の求め方は大人と大きく異なります。
子供は冬でも活発に動き発汗するため、防寒を意識して厚着をしすぎてしまうと、動いたときに汗をかいて、その熱がうまく蒸発できず体温調節のバランスがくずれ、後で汗が冷えたときに風邪を引いてしまうことがあります。
保温しすぎず、大人より1枚薄い程度でも問題ありません。
目安としては、「パパがセーターなら、子供は厚めの生地を使った長袖Tシャツ」というような意識でも良いかもしれません。
体温調節を活かし、汗をうまくかいてもらうためには、服と身体の間に空気の流れができるようにすることを意識してください。
温かい空気は上に逃げる性質があるため、例えば、夏は大きめのTシャツやワンピースなどゆとりのあるものを選ぶことで、服と身体の間の空気が循環し、快適な衣服内環境が作られます。

 また、肌着の機能も十分に活かしましょう。
肌着には、汗だけではなく、身体からでる汚れも吸う役割があり、衛生面でも活躍します。
夏に肌着が必要かどうかを悩む方も多いですが、そこはTPOも関係します。
例えば、着替えの洋服を持っていて、汗をかいてもすぐに着替えができるシチュエーションであれば、肌着が無くても良いかもしれません。
逆に着替えることが難しく、1日同じ服装でいなくてはならないときなどは、肌着を着せることが望ましいです。

 しかし、子供が暑がる場合など、肌着を纏うことが正解とは一概には言えない場合もあるため、状況によって対応するようにしましょう。 どんなに生地が薄くても、1枚より2枚のほうが暑くなることは頭に置いておき、子供の様子を見て判断しましょう。

衣服による怪我や事故を避けよう!

 子供の服は、デザインや快適性のほかに、安全性も考えて選ぶ必要があります。
例えば、滑り台を降りようとする際に首回りの紐が引っかかって首が絞まりそうになったり、ブランコに紐が引っかかって転倒したりすることがあります。
また、火元に近づきひらひらしたスカートに着火するケースもあります。
子供服が原因でどのような事故が起こりうるのかを知っておき、安全性の高い服を選ぶようにしましょう。

(参考)経済産業省ウェブサイト「その服、「カワイイ」だけで選んでませんか?」

子供と一緒に服選びをしよう!

 小さい子供が着る服は親だけで決めることも多いかもしれませんが、子供の意見や考えを傾聴することも大切です。 そこで子供と服を選ぶ際のコミュニケーションのコツを、「ありのまま子育て」など多数の著書を執筆している非営利団体コドモノミカタ代表理事の井桁容子さんに伺いました。

子供の“好き”を尊重し、信頼関係を育もう

 子供は1歳を過ぎた辺りから、「いや」や「だめ」などの感情を表現するようになるため、大人から見ても好みがわかるようになります。
服選びの際に、親が着せたいものと子供が着たいものが異なるときなど、子供の好きや嫌いをついつい“わがままな子”と捉えてしまう方が少なくありませんが、子供が自分で選択する力を伸ばしていくためにも、パパやママは子供の主張を尊重し、子供の好みについてきちんと向き合うことが大切です。
これは服選びだけではなく、様々なことに当てはまります。
パパやママの意向だけで物事を進めてしまうと子供との信頼関係を築くことができません。

 服選びの際には、予め気候やTPO、服の機能性を踏まえて大人がいくつか候補を絞った後に、「これとこれどっちがいい?」というような選択肢を与えてあげるというコミュニケーションを取ると良いでしょう。
すると次第に子供の好みがわかり、子供に対する理解が深まります。
そして、子供には「パパ・ママは私の考えを聞いてくれる」という信じる気持ち(自己有能感や自己肯定感)が芽生えていきます。
また、子供の好みを理解していくと、子供と一緒に服を買う時にも、「好きな色やキャラクターが使われている服だね」というような会話のきっかけが生まれます。

 普段子供の服選びをしないという方も、子供とのコミュニケーションを生み出し信頼関係を気づくための材料として服を使うというような気持ちで、服選びをしてみると良いでしょう。

親子の絆が深まるリンクコーデに挑戦!

 パパやママと子供が同じアイテムや色味や柄を揃える“リンクコーデ”。
近年注目されているリンクコーデをやってみたいという方も多いのではないでしょうか。
そこで、スタイリストであり3児のパパでもある菊池陽之介さんに、リンクコーデのコツを紹介いただきます。

服選びが煩わしいなら、リンクコーデを始めよう!

 服に興味が無い方は、自分のコーディネートをすることに煩わしさを感じる方も多いかもしれません。
しかし、その服選びの煩わしさを解消することができる点がリンクコーデの最大のメリットであると思います。

 リンクコーデは、服の素材、色、柄や小物、シルエットなど色々なところを愛する人と合わせるコーディネートのことを指しますが、それを難しく捉えず、「相手に合わせればいい」という気持ちでいると簡単な作業になります。
例えば、パートナーが黒のデニムスカートを履いていて、子供が黒のデニムを選んでいたら、パパも黒のデニムを必然的に選ぶことでリンクコーデが完成します。

 私も、娘がデニムを履いてる姿を見て、「あ、パパもデニムを履こうかな」と選ぶことが多く、何を着るかと考える量が減るため誰でもストレスなく取り組めると思います。
家族が着ている服を見て積極的に真似るだけの簡単コーディネートで、家族に一体感が生まれるのがリンクコーデの魅力です。
また、子供が服を着替えるのが嫌でなかなか着替えてくれないときに、「あれ、そのデニム、パパと一緒じゃん!」と子供とハイタッチをして喜んでいる姿を見せると子供も高揚し、すぐに着替えてくれます。

リンクコーデは、エコである!

 同じデザインの服を異なるサイズで複数購入することは、お金と時間のエコであると思います。
兄弟姉妹で同じものを買い、パパも同じものを買うと、服を選ぶ時間が短縮されますし、兄弟姉妹の服はお下がりを着てもらうことができ、経済的な負担も減ります。
また、小さくなった服は、フリマや古着に出すことでリサイクルにもなります。
リンクコーデに対して費用が嵩む、面倒、ハードルが高そうとネガティブな感情をお持ちの方には、実はリンクコーデは経済、時間のエコに繋がり、簡単にお洒落ができるということを伝えたいです。

 正直、はじめは恥ずかしいと思う方もいるかもしれません。
そのような方は、靴下や小物など目につきにくいところから始めることをお勧めします。
子供が中高生になると、子供の趣味嗜好が明確になったり、反抗期がありなかなか服を合わせることが難しくなります。
今しかできないリンクコーデを、気軽に楽しむ気持ちで始めてみてはいかがでしょうか。

服選びは子供の健康・安全を守るだけでなく、家族のコミュニケーションや一体感を育むことがわかりました。
朝の忙しい時間の服選びは大変ですが、子供との会話を楽しみながら日々の服選びをきっかけに親子の絆を深められると良いですね。