パパズ・スタイル
  1. Home
  2. /
  3. パパズ・スタイル
  4. /
  5. 第41回:“遊び”を通じてパパと子供の絆を深めよう!
第41回タイトル画像
第41回:“遊び”を通じてパパと子供の絆を深めよう!

目次

子育てマンガ「ピンチの後に絆が生まれる」

ピンチの後に絆が生まれる1ピンチの後に絆が生まれる2ピンチの後に絆が生まれる3ピンチの後に絆が生まれる4ピンチの後に絆が生まれる5

パパと子供の絆の写真

プロフィール
エイイチ
東京のデザイン会社に勤めた後、フリーランスのイラストレーターに。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭インターナショナル・ショートフィルム・ショウケース部門優秀アニメ賞を受賞するなど、アニメ、漫画、イラストの制作で頑張るパパ。

“遊び”を通じてパパと子供の絆を深めよう!

子供との絆をどうやって深めたらよいか、
悩んでいるパパ・ママは少なくないですよね。

今回は、
そもそも子供との絆を強めることがどうして大切なのか、
そのために “遊びの力” がどのように助けになるのかを解説します!
後半では、パパ遊びの具体的なアイデアをご紹介!

“遊び”を通じてパパと子供の絆を深めよう!

 子供との絆を強める上で、「遊びの力」はどのように役立つのでしょうか。また、絆を強める遊び方とはどのようなものでしょうか。
「育児相談室ポジカフェ」を運営し、児童心理を専門にコンサルティングをされている佐藤めぐみさんにお話を伺いました。

佐藤めぐみさんの写真

子供との絆を強めることはどうして大切?

 心理学の用語に「アタッチメント」という言葉があります。これは、子供が特定の人に求める「精神的な絆」のことです。
例えば、公園で子供が遊んでいて転んだとき、近くに親の顔を見つけると安心した表情を見せますよね。たとえ大声で泣き出すとしても、親がその涙を受け止めてくれるという安心感があるからこそ、存分に泣くことができます。これが、子供と親とのアタッチメントです。見知らぬおじさんやおばさんの顔を見ても、そういう表情にはなりません。親は子供にとって、安全基地、避難場所、駆け込み寺のような安心できる存在です。アタッチメントは、子供の心がバランスよく健全に育つ上でとても大切です。

 また、一人の養育者とだけでなく、できるだけ複数の人へとアタッチメントを広げることも、子供の健全な成長のためには大切です。つまり、ママだけでなくパパとのアタッチメントを強めることも大切だということです。アタッチメントは、強さも必要ですが、数も必要なんです。

 子供が言うことを聞かない、学校に行かないなど、パパやママから様々なご相談をいただきますが、アタッチメントの弱まりが、それらのお悩みと関係していることがよくあります。その点からも、常日頃から、どうすればアタッチメントを強められるかを考えてみるのはとても大切なことと言えるでしょう。

子供とのアタッチメントを強めるために大切な「遊びの力」

 アタッチメントを強める方法はいろいろありますが、有効な手段のひとつが「遊び」だと思います。今の時代は、パパもママも働いていたりして、忙しいご家庭が多いですよね。時間が足りなくて、アタッチメントが弱まっているケースが多いと感じます。でも遊びには「楽しい体験」がぎゅっと凝縮される傾向があるので、子供との絆を強める上で、短くても質のよい時間を過ごすことができます。忙しいパパ・ママだからこそ助けになるのが「遊びの力」ではないでしょうか。

 パパやママによっては、「〇〇遊びは苦手だけど、身体を使った遊びは任せて!」、「絵本の読み聞かせや創作が好き」等、それぞれ得意な遊び方や持ち味があると思います。

 ぜひパパとママ、それぞれの得意分野を活かして遊んでみてください!パパ・ママにとっても楽しいことですし、子供にとっても次のようなメリットがあります。

  • 遊びの種類が増えることで、遊びのバランスがよくなる
  • パパにはこれを期待する、ママにはこれを期待する、といった棲み分けが子供の中に自然にできあがり、子供とのユニークな絆が強まりやすい
パパ遊びのアイデア

 遊びのアイデアを考えるに当たり、前提として次のことを意識するとよいでしょう。

  • 「遊ぶこと」自体が重要で、アタッチメントを強めることができれば、「目的(何のためにこの遊びをするのか)」についてはそれほど強く意識しなくてもよい
  • 子供の興味のあるものにパパが興味を持つようにする
  • 子供に主導権を持たせてパパが奪わないようにする
  • お互い(パパと子供)がライバルにならないようにする

それでは、遊びのタイプごとに具体的なアイデアを5つご紹介します。

1

協調遊び

一つ目は「協調遊び」と呼ばれるものです。一つのものを、パパと子供が協力して完成させるタイプの遊びです。
例えば、

  • ブロックや積み木を使って何かを作る遊び。
    完成したら一体感が生まれます。
  • 簡単クッキング。
    クッキーでもおにぎりでも、何か一つ簡単なものを一緒に作り、できたものをママも交えて楽しく食べられるとよいですね。
  • ストーリーを一緒に作る遊び。
    例えば、絵本を一緒に読み終えた後、その続きのストーリーを一緒に考えてみたり、絵が書かれたカードを何枚か伏せておいて、それをめくりながら親子でストーリーを作ったりする。とても楽しいコミュニケーションになると思います。
  • バトルになりがちなゲームのルールを少し変えて遊んでみる。
    例えば、何人かの人数で遊ぶときは「椅子取りゲーム」の協調版がおもしろいかもしれません。一般的には音楽が止まったときに、椅子を確保できなかった人が一人ずつ抜けていくわけですが、協調版では全員が最後までプレイし、1回に1脚ずつ椅子だけを減らしていきます。毎回どれかの椅子に複数が腰掛ける形になり、最後の椅子になったら全員がお尻をのせるよう協力し合います。こうすると、勝ち負けではなく「協調」がゴールになり、笑いも生まれてよいかもしれないですね。

協調遊び

2

同調遊び

これは、パパとの絆をあまり感じられていない子供や自己肯定感が低いように見える子供に効果的です。
例えば、パパがイラストのようにタクシーになってあげて、子供が右手をぎゅっと握ったら右に曲がってあげるなど、子供が何らかのサインを出したら、それに同調してあげるといった遊び方です。一緒にお風呂場に行くときなどにやってみると、楽しいかもしれません。

右に曲がるよ~

同調遊び

3

スキンシップ系の遊び

高い高い、肩車、子供の手を持ってゆっくりと回転してあげるなど、スキンシップを意識した遊びです。近くの公園で鬼ごっこをしたりするのも、よいスキンシップになりますね。お風呂に入って、おもちゃで一緒に遊ぶなどもいいですね。

スキンシップ系の遊び

4

かくれんぼ

かくれんぼは子供が純粋に楽しく感じる遊びですし、小さいうちは親と離れることをさびしく感じる「分離不安」を強く感じやすい時期です。隠れても見つかる、見えなくなっても現れる、を繰り返すことで、パパとママが自分のところに必ず戻ってきてくれるという安心感を強めることができます。意外と奥の深い遊びが「かくれんぼ」なのです。

5

テレビ、ゲーム、YouTubeなど

子供がテレビやゲームなどに夢中になってしまうことは親の悩みのひとつですね。でも、パパと一緒にするなら共有体験になり、アタッチメントの強化につながります。もちろん、内容を選んだり、時間を制限したりといったルールは必要ですね。

“まとめの画像

いかがでしたか?子供との絆を強める上で “遊び” には様々な効果がありますが、意外と活用されていないように感じます。
パパがどう関わってよいのか分からないというケースも多いようです。
でも、あまり肩に力を入れないでください!パパの好きなことや得意技を活かせば、子供は夢中になってくれるものです。 また、特に得意技等がなくても大丈夫。パパが遊びの主導権を握らなくても、子供の遊びにいい意味で巻き込まれるだけでもOK。子供はある意味「遊びの天才」です。どうぞ、“遊び” を通じて子供との絆(アタッチメント)を深めてみてください。