愛妻家で子育てに熱心なパパとして知られる俳優の杉浦太陽さん。2007年に辻希美さんと結婚し、イクメンオブザイヤーを何度も受賞され、現在は4児の父で、全国で家事・育児に関するトークショーなども行っています。
また、料理の腕を活かし、料理番組への出演やレシピ本も執筆しています。料理好きのパパ代表である杉浦さんに、料理をすることで育まれる家族のコミュニケーションや子供の成長について伺いました。
料理は、成長するスキル
イクメンや料理上手と言っていただけていますが、結婚前は全くそのようなことはなく、むしろ亭主関白気質であると自負していました。
しかし、結婚し子供を授かり妻の定期検診に同行するなかで、父としての自覚が次第に芽生えたこと、また辛そうな妻を助けたいという気持ちから、少しずつ料理や家事に取り組み始めたことで、次第に今の自分に変化していきました。
元々は、僕も妻も料理や家事はあまりできずに、母や義母に教えてもらいながら、少しずつ上達していきました。プロのシェフと全国を周る旅をする仕事を通じて、料理の方程式のようなものを学べたのも、料理が上達した理由かもしれないですね。
育児も家事も少しずつできるようになったことで、3人目が生まれたときくらいから妻とうまく協力し合うことができるようになり、充実した子育てライフを送れています。
台所で育むコミュニケーション
パパの中には、どうしても料理が苦手だったり、楽しさを感じない人がいると思います。でもまずは、妻の隣に立つ努力をしてみてください。
「洗い物やろうか?」「皮むこうか?」と自然にキッチンに立ちましょう。料理はできなくても、これらのお手伝いをすることはできます。
すると、自然と妻との会話の時間が生まれます。「今日は子供にどんな事があった?」「今日はどんな一日だった?」と聴くことで夫婦を知る、子供を知る大事な時間になります。
親子で楽しむ料理の時間
長女は好きなYoutuberが料理をしていたことがきっかけで、料理に興味を持ち始めました。最初は子供でも簡単に作れるインスタントデザートからはじまり、いまではパン職人のように、僕たちにパンを作ってくれるまでに成長しました(笑)。我が家は、子供が興味を持ったことに対しては、否定も邪魔もせずに、協力体制をとります。例えばパン作りのときは、「この小麦粉がいい」とか、「イースト菌はこれがいい」などの子供の要望を受け入れ、買い揃えてあげました。その代わり、そこから先は自分で考えさせて作らせます。すると自然とパン作りに熱中し、次第に料理を好きになってくれました。
また、コロナ禍で家庭菜園を始め、トマトや春菊、ローズマリー、ブロッコリー、白菜などたくさんの野菜を作っています。料理をするときに、子供達に収穫を手伝わせることで、料理に参加させる気持ちにさせています。そのせいか、長男は自分で栽培キットのようなものを買い、椎茸を自分で育て、グリルで焼いて食べています(笑)。
あとは、僕の趣味である釣りに付き添わせたことで、長男は魚をさばけるようになりました。命ある生き物の頭を落とし、内臓をとり、切り、食べる。そうした過程を味わえると満足感も高まるほか、食育にもなり、命や食について興味を抱くようになります。
これらを始めるのは少しハードルが高いかもしれないと思う方は、まずは卵を割らせるなど簡単なことから始めてみて下さい。
孫ができたときが楽しみ
家事や育児を通して、夫婦を親にしてくれたのは、子供達です。僕も今でこそ、おしどり夫婦のようなご紹介をしてもらえていますが、パパになった当初は喧嘩も絶えず、すれ違いも多々ありました。「妻に認められたい、子供と触れ合いたい。」など、自分のタイミングやリズムで取り組んでしまうと自己満足に陥ってしまい、かえって妻に迷惑をかけ、多くの場合うまくいきません。僕が学んだことは、「妻の目線に合わせる」ということ。例えば、洗い物が溜まっていて、妻が別のことをしていたら、洗い物を終わらせておく。子供をお風呂にいれようとしているなら、先回りしてお風呂を洗うなど。
僕も最初は、「おれについてこい」というようなプライドをもったパパ像をイメージしていましたが、そんなものは必要ありません。料理などの家事ができるようになると、サプライズ料理で家族の記念日を祝うこともできるので、ぜひ挑戦してみてください。
子供を授かったら絶対に通るべき課題がたくさんありますが、ここを乗り越え老後を迎えて孫ができたときに、「おじいちゃん、ちょっと子供預かってて」という会話を自分の子供とできると思うと、ワクワクします。だから、家事も育児も今のうちにできるようにしておくと、楽しみが広がります。