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第6回「おにいちゃん!“社会のくうき”はどうやったら変わるの??」
「パパは家事を「手伝う」ものなの?ソウタくんの答え探し」

僕はソウタ。小学5年生。10歳になって自分の将来を考えはじめたら、なんだか世の中にはボクにはわからないことがいっぱいあるみたいだ。いろんな人にパパとママがもっと楽しそうに家事や仕事をできる答えを教えてもらってきた。なのになんで、パパもママも大変そうなままなのか?そう尋ねるリコに対し、僕はどこかで聞いた言葉「社会のくうき」なんじゃないかと答えたんだ。

おにいちゃん!“社会のくうき”はどうやったら変わるの??

リコのイラスト
ソウタのイラスト

うーん、どうやったら変わるんだろう・・・。

だってさ、おにいちゃんから聞いたいろいろな人たちの話だと、みんな嫌な気持ちにならないで、もっと楽しくやっていけるんじゃないかと思うの。

リコのイラスト
ソウタのイラスト

うん。確かにみんな前向きな話をしてくれたね。

まず、私の学芸会でパパは絶対に会社を休めないわけじゃないんでしょ?

リコのイラスト

パパとママが上手に家事を分担する方法だってあるんでしょ?

リコのイラスト
ソウタのイラスト

そうだね。家事分担というよりは、家事シェアと考えて一緒に責任を持つようにすれば、うまく一緒にやっていけるって三木さんは言っていた。

仕事をしないで家事や育児をする男の人だっていていいんでしょ?

リコのイラスト
ソウタのイラスト

話を聞いた堀込さんは実際にそうだし、別に変わっているわけじゃないということはわかったね。

ママが仕事をするのだって、難しいとはいうけど、できないわけじゃないよね?

リコのイラスト
ソウタのイラスト

うん、実際に仕事をしている人はたくさんいるわけだし、管理職っていうまとめ役の女性の人を増やそうとしているって羽生さんは言っていた。

なのに、実際はみんな大変そう。この理由はなんなの?

リコのイラスト
ソウタのイラスト

だから・・・“社会のくうき”っていうか・・・。

そもそも“社会のくうき”ってどういうことなの?

リコのイラスト
ソウタのイラスト

そうだな……、今まで教わってきたことでぼんやりとはわかるんだけど、難しいからパパとママと一緒に話をした方がよさそうだな。

僕はパパとママを呼んで、パパが家事を「手伝う」ものなのかを考え出したことをきっかけにいろいろな人に話を聞いて教わったこと、感じたことを伝えた。

パパのイラスト

へー、ソウタ、そんなことしていたのか!すごいな!「手伝う」かー。気づかなかったな。これからは気を付けないと。

なるほどね。で、最後に“社会のくうき”が何なのか?どうやって変えていけばいいかの答えをさがしているのね?パパはどう思う?

ママのイラスト
パパのイラスト

そうだなあ。青野さんが言うような休んじゃいけない「思い込み」は僕だけじゃなく会社のみんなにあるかもな。そうすると、みんなが休まないから、余計休むハードルは高くなるな。これは“社会のくうき”といえるんじゃないかなあ。

私の会社でも、みんなが忙しい時期にも子供がいる女性は残業をお願いされないの。パパが早く帰れる日だったらママだって頑張りたいときもあるのに・・・。でも、これは意地悪じゃなくて会社が配慮してくれているってことだから、「残業します」なんて“くうき”を壊すことは言えないなあ。

ママのイラスト

私はオズのドロシー役をやるのにクラスの友達がどう思うか気にならなかったけどなー。やりたい役をやりたいと言ったよ。

リコのイラスト
ソウタのイラスト

みんながリコみたいな性格なら“社会のくうき”なんて考えなくてもいいんだろうね。でも、多くの人は、みんなが「こうあるべき」と決めつけたり、思い込んだりしていることと違う行動はとれないってこと、これが“社会のくうき”の正体ってことじゃないかな。

パパのイラスト

ソウタ!すごく成長したね。じゃあ“社会のくうき”を変えるにはみんなが思い込みを無くして決めつけないことが大事ってことだね。

じゃあ、思い込みや決めつけって、自分の考えていることなんだから、“よし!変えよう!”ってできないの?

リコのイラスト

でもパパが家事を「手伝う」と言うことに違和感がなかったように、思い込みってそもそも自分では気づいていないことが多いのよね。私を早く帰そうとしてくれる上司も悪気はなくママは家事を頑張るべきという考えがあるみたい。誰かが指摘してくれれば別だけど、自分で気づいて変わるのは難しいのよね。

ママのイラスト
ソウタのイラスト

そういえば、「女性だから」とか「男性だから」とか気づかないうちに自分が思い込んでいないかを自分自身で気づく簡単なやり方を羽生さんに教えてもらったんだ。

どうやるの?

リコのイラスト
ソウタのイラスト

例えばそうだな、パパがリコにいう「女の子はケガに気を付けて」って言葉。これを男の子と女の子でひっくり返してみる。すると「男の子はケガに気を付けて」になるけど。パパどう思った?

パパのイラスト

確かになんか言い慣れてない感じだな。

でも、男の子だってケガに気を付けるのは当たり前だよね。

ママのイラスト

じゃあ、「男の人は仕事ばっかりしている」は「女の人は仕事ばっかりしている」になるけど、変かな?

リコのイラスト
パパのイラスト

そうだね、女の人だって仕事ばっかりしている人だっていると思うんだけど、違和感はあるなあ。そうやって考えてみると、結構普段から「男は」「女は」とか「男の子は」「女の子は」って言っているかもしれない。それが思い込みなんだろうね。

性別だけじゃないよね。「会社員だから」「難しい大学を出たから」「○○出身だから」とか、思い込みで決めつけていることを、よく言っているような気がする。

ママのイラスト
ソウタのイラスト

言うことを変えるだけでも思い込みを減らす効果はあるのかな?

パパのイラスト

うん。何もしないよりは変わる可能性はきっとあるよ。

それに、たくさんの人がそれをしていけば“社会のくうき”が変わることに繋がるんじゃないかな。

ママのイラスト

じゃあ!これからはもっとみんなでやろうよ!

リコのイラスト

思い込みに気づいて決めつけないことが大事。このことをみんながわかってくれたら、きっともっと楽しく働けるし、家事の分け合い方に不満も生まれにくいんじゃないかとわかってきた。あとはどうすれば、多くの人にわかってもらえるんだろう?

ソウタのイラスト

パパ、じゃあ“社会のくうき”を変えるために多くの人に伝わるようないい方法ない?

パパのイラスト

そうだな。例えば、テレビやネットのニュースとか新聞とか、みんながみるもので問いかけるのはどうだろう?

ソウタのイラスト

「思い込みをなくしましょう!」って伝えるってこと?

パパのイラスト

それだと、そのメッセージ自体が決めつけになっちゃうし、反発する人もでるかもね。見た人が、それって大切だなあと感じてもらえるように伝えないといけないと思うな。

ニュースだけじゃないと思う。ドラマとかCMとかに出てくる人も、子育てをしているのは女性がほとんどだったり、オフィスで仕事をしているのは男性が多かったりだと思うんだけど、そういうのも変えた方がいいんじゃない?

ママのイラスト
ソウタのイラスト

そうか、それも思い込みが入っているかもしれない。

でも、最近、オムツとか洗剤のCMには男の人が出ている気がするけど。

リコのイラスト
ソウタのイラスト

ああ、本当だ!確かによく見かけるね。

パパのイラスト

そういうところが変わって、いろいろ価値観や生き方を知ることができるとイメージや思い込みが変わってくるところはありそうだね。

あと、世界には男性が家事をするのが当たり前の国だってあるから、そういうところがどうやってそうなったのか?マネするのもいいんじゃない。

ママのイラスト
ソウタのイラスト

あー、それいいかも!

パパのイラスト

そういえば、仕事でスウェーデンの人に会った時に言っていたな。向こうでは男性もたくさんの人が育休をとって家事や育児をするのが当たり前だって。

そうなんだ!そういう国もあるんだね。そういうの学校で教えてくれたらいいのに。

リコのイラスト
ソウタのイラスト

あ!学校いいかも!

家庭科の授業では最近、そういうことも教えるようになったって聞いたことあるわよ。

ママのイラスト
ソウタのイラスト

じゃあ、きっと僕ももう少ししたら習うのかもしれないね。

パパのイラスト

思い込みとはちょっと違うかもしれないけど、もっと家事をするためには、もっと便利な家電がいっぱいあったらいいなと思う。そうしたら、やるのもイヤじゃないな。

男の人って、そういうハイテク家電とか好きだよね。

ママのイラスト

ママ、それってさっき言ってた思い込みじゃない?ハイテク家電が好きな女の人だっているはずだよ?

リコのイラスト

本当だ!さっき変えていこうって言ったばかりなのに。

ママのイラスト
パパのイラスト

つまり頭ではわかっていても、変えることはなかなか難しいってことなんだろうね。大丈夫。何度でも指摘するし、僕が間違えたら、みんなも指摘してほしい。でもこれはあくまで僕ら家族のやり方で、よその家にも押し付けるのはやめようね。

ソウタのイラスト

そうだね。まずはボクたち家族からはじめてみよう。そうすれば“社会のくうき”は変わるかもね。

パパのイラスト

うん。“社会のくうき”は変わるって信じてやってみることも大事だね。

ソウタのイラスト

よし、まずは家の中から変えていこう!

ボクたちは楽しく話して、いつの間にか夕飯の時間になった。話し合いをして、メニューはパパが得意な餃子に決定!パパは家にあるもので準備をはじめて、ママは足りないものとデザートを買いに行った。その間にボクとリコはテーブルの上を片付けてから、パパと一緒に餃子を包んだ。帰ってきたママは、自分の好きなデザートを買ってきて、なんだかうれしそう。パパもそんなママを見てうれしそう。みんなで力を合わせて作ったら、おいしいだけじゃなくてうれしいご飯の時間になった。

こうやって少しずつでも変えていけば、ボクたちが子育てをする頃には何かが変わっているかもしれない。