パパズ・スタイル
  1. Home
  2. /
  3. パパズ・スタイル
  4. /
  5. 第27回:楽しみながら身につけよう!パパと一緒に英語にトライ!
第27回タイトル画像
パパズスタイル第27回サムネイル画像

目次

子育てマンガ「親子で英語クイズを楽しもう!」

プロフィール
エイイチ
東京のデザイン会社に勤めた後、フリーランスのイラストレーターに。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭インターナショナル・ショートフィルム・ショウケース部門優秀アニメ賞を受賞するなど、アニメ、漫画、イラストの制作で頑張るパパ。

楽しみながら身につけよう!パパと一緒に英語にトライ!

親子のコミュニケーションを深める方法のひとつとして、
日常に英語あそびを取り入れてみるのはいかがでしょうか?

2020年度から小学校に本格的に英語が導入されるなど英語教育の重要性はますます高まっています。
子供が幼少期に英語に興味をもつきっかけをパパがつくってみましょう。

お家で英語を取り入れよう!

 今回は、小学校、および中高の外国語(英語)の教員免許をもち、30年以上に渡り子供に英語の指導を行うとともに、様々な媒体で執筆活動をしている清水万里子さんに、家庭や遊びの中で英語を取り入れる方法についてお話し頂きました。

英語教育は、慌てなくても大丈夫

 英語を話せる方と出会ったり、海外に遊びに行ったりすると「私も英語を話せたらいいな」と思ったことはありませんか?近年ますますグローバルな社会となり、英語を使うことはもはや必須であると考えて早いうちから子供に英語を習わせたいと思っているご家庭も多いと思います。

 まず最初に私が伝えたいことは、「そんなに慌てなくてもいいですよ」ということ。
子供にとって英語を学ぶことは、遊びの延長で楽しいコミュニケーションの方法として考えておきましょう。
大事なことは、幼児期に英語を嫌いにさせないことであり、子供自身が英語を使うことを楽しいと思うことです。
また、2000年頃から、未就学児を対象に英語で保育を行うインターナショナル・プリスクールや、その上の小学生以上に英語で教育を行うインターナショナル・スクールへ通う子供も増えました。
多様性のある教育的なメリットがある反面、就学期に日本語を学ぶ時間が少なくなってしまい、6年生になっても漢字で自分の名前を書けなかったり、親が子供に日本語で話しかけても返事は英語だったりする場合もあるようです。 様々なお考えがあるかと思いますが、主観としては、小学校低学年くらいまでは英語に慣れ親しむ遊びを中心にコミュニケーションをして、そこから英語を学ぶくらいでも良いでしょう。

耳から英語に慣れさせよう!

 幼少期に“耳”で英語に触れることは、小学生以降の英語学習において、学習のスピードに影響がでることも言われています。(※1)。そのため、英語が苦手なパパ・ママも、英会話をするレベルではなくても大丈夫ですので、簡単な単語やフレーズを日常のシチュエーションに絡めてみると良いでしょう。パパ・ママが楽しそうに英語を使っているシーンを子供に見せてあげてください。

 例えば、子供とおでかけするときに、「準備はできた?」と言うことがあると思います。そのようなときに、”Are you ready?”(準備はいい?)や“Let’s Go!”(さぁ行こう!)と話しかけることで、耳でフレーズをキャッチするきっかけを与えることができます。

 また、朝起きたときには、”Good morning!”(おはよう!)や、夜寝るときには“Good night.”(おやすみ)、お風呂で身体を洗うときに足の指を“one,two,three,four・・・”と数えたり”Wash,Wash,Wash!”と、リズムにのって言ったりするなど。簡単なフレーズを取り入れるだけで、英語の楽しさを感じることができます。

 パパ・ママが子供と接する時間を楽しみながら積極的に簡単なフレーズを使ってみると良いと思います。

 一方、子供が覚えたかどうか、できるかどうかを確かめるような聞き方は控えましょう。
子供にとってはある種のテストのような感覚になってしまって英語嫌いになってしまいます。
覚えていたら褒める、できなかったらがっかりする、というようなコミュニケーションは、親の期待に応えようとする考え方になり、楽しさが消えてしまいます。
理想は、例えば、子供がパパに教えてあげるようなコミュニケーションが良いですね。
パパが「あれ、スイカってなんていうんだっけな?」と、ど忘れした様子で尋ねると、子供が「watermelonだよー!」というような会話で、パパが仕掛けてコミュニケーションを楽しむコツを掴むことが大切です。

パパと一緒に英語で遊ぼう!

 次に、遊びながら触れる英語についてご紹介します。
ここでも英語の会話を覚えさせるのではなく、単語やフレーズを“耳”から感じさせることに重点を置き、決して、“勉強”という堅い雰囲気にしないようにします。

モノマネを取り入れよう

 例えば、パパが飛行機のマネをして、Airplane(飛行機)と言いながら子供を背中に乗せたり、運転の真似をして、Taxi(タクシー)やBus(バス)など乗り物になりきるような、まねっこ遊びに英語を取り入れてみましょう。
また、子供を持ち上げるときに”Higher and higher!”(もっともっと高く)と言うだけでも英語あそびです。
このように、身体をつかった動作に英語の要素を加えてみてはいかがでしょう。

 また、動物園に行った日などは英語の言葉を使うチャンスです!

 おうちに帰ったら、パパが、”I want to be an elephant!”(ゾウさんになるぞ)と言いながらゾウの真似をしたり、大きな口を開けながら、”I’m a hippo!”(カバさんだぞ)などとカバの真似をします。 子供がパパにものまねのリクエストをするときに、好きな動物の名前を英語で言うこともできます。
また、ゴリラの歩き方などのジェスチャーをして、”What animal? Yes, it’s a gorilla.”(何の動物かな。そう、ゴリラだ!)というようなクイズ式のやりとりもできます。

 動物園に遊びに行ったあとにできる英語コミュニケーションなので、「体験」と「記憶」で動物の名前をたくさん覚えてくれるでしょう。
このような英語あそびを繰り返すうちに”I want to be…”(~になりたい)の「アイウォナビー」という音が耳に残ります。
学習を意図しなくても、カラダを使いながら親子のコミュニケーションを交えて自然に英語独特のリズムを習得することができます。

 あくまでも目的はコミュニケーションと遊びです。
やらないほうがいいことは、無理に覚えさせようとしたり、正しい発音を強要したりすること。
幼児期にはリズムと音を体感させて、いつの間にか言えるようになっていたというような感覚になると良いでしょう。
最近では、TOKYO GLOBAL GATEWAYなど、英語を使うことを目的とした施設もあります。
そのような場所に行き、英語に触れるきっかけ作りをするのも遊び方の一つです。

TOKYO GLOBAL GATEWAYとは

 東京都教育委員会の方針のもと、株式会社TOKYO GLOBAL GATEWAYが運営する官民連携の、まったく新しいタイプの体験型英語学習施設。
日常から離れ、海外をイメージして作られた街並みでいつもと違う環境のなか、グローバルな世界を存分に体験することが可能。
小・中・高校生の学校単位の利用に加えて、幼児から大人まで、個人でも申し込める多彩なプログラムを用意。
https://tokyo-global-gateway.com/

 ※1 下記参考文献参照
J. オーツ・A. グレイソン(編) (2010)(井狩幸男監訳) 『子どもの認知と言語はどう発達するか 早期英 語教育のための発達心理言語学』松柏社.

 

 清水万里子
専門家の知見から「幼児英語の今」を伝えるサイト
「幼児のための英語」
https://preschooler-english.com/about/

子供に英語を覚えさせることを目的とするよりも、英語を通じて親子のコミュニケーションを深めることを意識してみると、子供は自然と英語が好きになるかもしれません。
パパ自身が楽しみながら、ご家庭でのコミュニケーションの一部として英語あそびを取り入れてみてくださいね。