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子育てマンガ「ママの機嫌が悪い訳」
プロフィール
エイイチ
東京のデザイン会社に勤めた後、フリーランスのイラストレーターに。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭インターナショナル・ショートフィルム・ショウケース部門優秀アニメ賞を受賞するなど、アニメ、漫画、イラストの制作で頑張るパパ。
家事をしてもママが喜んでくれないのはなぜ?”主体的家事”で家族みんなが幸せに!
頼まれた家事をしても、なんだかご不満な様子のママ。
言われたことをやっているはずなのにどうして?と感じることはありませんか。
その原因は、パパが「主体的」に家事に取り組むのでなく、「手伝う」という感覚で、
「言われたときに言われたことだけ」をやっているからかもしれません。
今回は、
ママもパパ自身もハッピーになれる、
”主体的家事”のヒントを探っていきます!
家事をしてもママが喜んでくれないのはなぜ?”主体的家事”で家族みんなが幸せに!
「Home to Work」の代表で、全国で家事や子育てに関する講演等を行っている粂井優子先生にパパが主体的に家事に取り組めるようになるにはどうしたら良いか、それによってどんなメリットがあるのか、お話を伺いました。
主体的に家事ができるようになるには具体的にどうしたらいい?
■家事の全体像を共有しよう
まず、どんなタスクがあるのかを洗い出し、家事の全体像を理解することが大切です。
その際、以下のようなシートを活用することをお勧めしています。もちろん、家事の種類は家庭によって違います。そのため、こちらのシートはあくまでも参考例として、ご自分の家庭にあった分担シートを夫婦で作成してみてはいかがでしょうか。
家事の洗い出しができたら、今度は、マスの一番上にパパとママの名前を記入し、各タスクを現状どちらが行っているのか、○をつけて分析してみましょう。丸印がどちらかに偏っていませんか? 普段自分がやっていない家事に気づくきっかけにもなりますので、見える化はとても大事です。
■「家庭の将来像」を共有しよう!
「家庭の将来像」は、「目標設定」とも言いかえることができます。どのような家庭にしたいか考え、夫婦で共有してみましょう。その上で自分はどう貢献できるのかを考えると、何を主体的に行うべきか、考えるきっかけになると思います。
例えば、「友達を気軽に家に招いてワイワイできる楽しい家庭にしたい」という目標を設定するとします。ではその目標を達成するために自分に何ができるか。友達を呼ぶためには玄関をきれいに保っておこうとか、リビングの片付けをしようとか、自分がやるべきことが見えてくると思います。
■役割分担を見直そう!
先ほどの「家事分担表シート」を使って夫婦で話し合い、役割分担を見直してみましょう。タスクによっては曜日等で担当を変えることもあるかもしれませんが、なるべく分担をあやふやにせず、明確にすることが大切です。
■ダメ出しよりも「ありがとう」で、パパの家事スキルは伸びる!
ママは、パパに任せたらダメ出ししないことが大切です。
パパが家事に主体性を持ちにくくなっている要因のひとつは、パパが家事に自信を持てなくなっているからだと思います。
実際、男性のための家事講座を行うと、若いパパを褒めるとうれし泣きをする人が少なからずいらっしゃいます。どうやら、普段一生懸命家事を行っても褒められることがなく、逆にママからダメ出しされるから、ということが原因のようです。
大事なのは、ママから見て満足いかなくても、まずは感謝すること。結果ではなく、やってくれたことに対して、笑顔で「ありがとう」を言いましょう。これがパパの大きなエンジンになっていきます。できてないことを指摘したくなる気持ちはぐっとこらえて、「パパ、助かったよ。ありがとう」と伝えることが、パパの意欲とスキルを伸ばしていくポイントです。
■ありがとうのキャッチボールを!
ありがとうは「鏡」のようなものです。
パパは、自分がママから「ありがとう」をあまり言われてもらっていない、と感じるならば、自分もママへの「ありがとう」を言えていないのかもしれません。夫婦間で笑顔の「ありがとう」のキャッチボールが増えるのが理想的です。家事は辛いものという意識ではなく、「ありがとう」を言い合えるチャンスをくれるものという認識に変わるなら、お互いに嬉しいですよね。
男性が主体的に家事を行うことにはどんな利点が?
■仕事のスキル向上に役立つ
誤解を恐れずに言うと、家事は仕事力を向上させます。
例えば、冷蔵庫の中身の管理は、数日分の献立を踏まえ、賞味期限切れにも気を付けながら計画的に行う必要があり、業務のマネジメントに通じるものがあります。また、チーム(夫婦)で分担・協力して、限られた時間でタスクをこなしていくという点は、家事も仕事も同じですよね。
管理能力、効率性、協調性、先を見通す力など、仕事を成功させるうえで欠かせないものが家事を通じて得られると思います。
■ママが不在の時も困らない
ママが、体調を崩して数日間寝込んでしまう、あるいは仕事の出張等で長期間家を空けてしまう…といったことも起こり得ると思います。そんなとき、「洗濯はやったことがなく、やり方がわからない」、「料理は妻任せで何もできない…」といったようでは、パパ本人のみならず、子供たちも困ってしまいます。普段から家事をしていれば、「いざ」というときでも、途方に暮れずにすみますね。
■妻からの愛情を失わない
近年、珍しくなくなった熟年離婚の特徴として、夫と妻で認識に大きな差があることがあげられます。実際に熟年離婚した夫婦の例を見ると、妻の側は長い時間をかけて結論に達しているのに対し、夫の側はまさに「青天の暦壁」というケースが多いのです。
妻が夫への愛情を失うかどうかの分かれ道は、夫が家事・育児に主体的に取り組んできたかどうか、なのかもしれません。
このコロナ禍でテレワークが進みましたが、世の中の妻たちの反応は「夫が一日家にいて助かる」と「夫が一日家にいて大変」で二極化しています。好きか嫌いかの二極化とも表現でき、どちらに針が振れるかは「夫の普段からの行い次第」ということを理解しておくべきだと思います。
■子供の成長にも良い影響
私が観察している限り、娘さんが思春期を迎えたときも「パパ大好き!」と「パパ大嫌い!」の両極端に分かれるケースが多いようです。ママをパパが笑顔にさせたか、それとも苦労させたかが、大きく影響すると感じています。
また、息子さんも家事をしているパパを見て育つと、家事ができる男性に育ちます。そうすると、息子さんもパートナーに愛され幸せな家庭を築けるという良い循環にもつながっていくでしょう。
パパと家族の“幸せへの道”
家事は「ありがとう」を伝え合うための大切なツールとなり得ます。家事を通じて夫婦がお互いに「ありがとう」を言い合うことで、様々なメリットがあります。夫婦仲もよくなりますし、子供にも良い影響をもたらします。パパ自身と家族の幸せにもつながります。
完璧を目指す必要はありません。何より、楽しく、ポジティブに家事に取り組んでいただけたら嬉しいです。