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東京都の「女性が輝くTOKYO懇話会」開催! それぞれのパパズ・スタイルを見つけよう

目次

子育てマンガ「家族なんだから平等で当たり前」

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東京都の「女性が輝くTOKYO懇話会」開催!それぞれのパパズ・スタイルを見つけよう

プロフィール
エイイチ
東京のデザイン会社に勤めた後、フリーランスのイラストレーターに。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭インターナショナル・ショートフィルム・ショウケース部門優秀アニメ賞を受賞するなど、アニメ、漫画、イラストの制作で頑張るパパ。

東京都の「女性が輝くTOKYO懇話会」開催!それぞれのパパズ・スタイルを見つけよう

「女性が輝くTOKYO懇話会~職場が変わる!意識も変わる!!~パパズ・スタイルはじめよう~」(東京都主催)

 男性の家事・育児参画の推進について話し合う「女性が輝くTOKYO懇話会~職場が変わる!意識も変わる!!~パパズ・スタイルはじめよう~」(東京都主催)が2月16日、東京ウィメンズプラザで開かれました。今回はそのレポートです。

 懇話会の様子はこちらから視聴できます。
https://www.youtube.com/watch?v=bmyNUiLI7uI

東京ウィメンズプラザ外観

社員の家庭に目を向けることの重要性

 まず、経営者でありながら二度の育休を取得した経験のあるメルカリ取締役会長、小泉文明さんによるオープニングトーク。小泉さんは自身の育休体験とともに、周囲のスタートアップ企業で経営者や社員の育休取得が増えていることを例に挙げ、選ばれる企業となるために社員の家庭に目を向けることの重要性を語りました。

メルカリ取締役会長 小泉文明さん

女性の活躍には、男性の家事・育児参画が必要

 続いて、モデレーターを務めるワンダライフLLP代表の林田香織さんが、東京都による「男性の家事・育児参画状況実態調査」から浮かび上がった課題を指摘、男性の家事・育児参画を推進することの重要性を強調しました。その後、東京都の小池百合子知事、メルカリの小泉さん、俳優・タレントで二児のパパでもある金子貴俊さんが登壇し、シンポジウムがいよいよスタートです。

ワンダライフLLP代表 林田香織さん

まず、小池知事が男性の家事・育児参画推進に向けた意気込みを語りました。 「東京都は未来の戦略ビジョンを、東京を担っていく『人』を柱に考えてきました。人口の半分を占める女性が活躍するためには、男性が家事・育児に参画することが必要です。そのためには男性のマインドを変えていくことが重要だと感じています」

小池知事

会社が育児の金銭面をサポート

 男性の家事・育児参画を進めるにあたって鍵を握るのが企業の取組です。そこでメルカリの小泉さんは、自社の取組として、「merci box」という福利厚生制度を紹介しました。この制度は、産休・育休から復職後にお祝い金の支給、妊活費用や病児保育費用の負担、認可外保育園と認可保育園との保育料の差額の補填など、会社による金銭面のサポートが中心になっています。小泉さんは制度を設けた理由をこう説明しました。

 「ファミリーに対する不安のないことがポジティブに働くことのベースになるのではないかと考えています。出産後はどうしてもお金が必要になります。社員に対して金銭面のサポートをすることが大切です。こういった取組の結果、女性の産休・育休後の仕事復帰はほぼ100%、男性も81%の社員が育休を取得しています。ファミリーと接する時間があることで、社員の復帰後のモチベーションも高くなっています」

 男性の家事・育児参画を進めるうえで、もう一つポイントとなるのが働き方。家でも仕事ができるテレワークが注目されていますが、小池知事は、「東京2020オリンピック・パラリンピック」を機にテレワークを広めていく考えを強調しました。

育休取得者の前向きな姿勢が職場のいい雰囲気に

 さて東京都が実施した「男性の家事・育児参画状況実態調査」では、男性のおよそ8割が育休等を希望通りに取得できなかったという結果が出ていました。その理由として多かったのが「職場が取得できる雰囲気ではなかった」という回答です。81%の男性が育休を取得しているメルカリの職場の雰囲気はどうなのでしょうか。

 「まず経営者である自分が育休を取ったことが、会社からのメッセージになるという意味で大きかったと思います。さらに育休から復帰した人が安心して働いていることもとても重要です。彼らが育休をポジティブに捉え、育休に関してポジティブな発言をする。それが育休取得が当たり前という職場の空気につながっています」

小泉さん

 小泉さんは男性の育休取得を進めるためのもう一つのポイントを挙げました。
 「職場で今、何が進んでいるか、その情報をオープンにすることが大切です。男性が育休を取らない理由の一つとして、自分がいない間にいろいろなことが進んでしまい、戻ったときにわからなくなっていることが不安だという側面があると思います。メルカリではさまざまな情報共有ツールを取り入れ、育休中でも会社の中で何が起こっているかチェックできるようにしています」

芸能界でも働き方や職場の雰囲気に変化

 芸能界でも職場の雰囲気は変わってきているのでしょうか。金子さんはこう語ります。

金子さん

 「仕事をしっかりしながら、イクメンぶりを積極的に発信する芸能人が増えていますし、テレビの仕事の現場でも『働き方改革』と言われ始めて、スタッフの働き方に変化が見られるようになっています。例えば土日の撮影は減っていますね。子育て中の女性スタッフも増えたように感じます」

 では、東京都ではどのように育休取得を進めているのでしょうか。小池知事が取組を説明しました。
 「ライフワークバランスの実現のために、東京都ではすべての管理職がイクボス宣言をしています。また昨年度からは『パパ職員育児参加応援プロジェクト』として、配偶者の妊娠がわかったらプランニングシートを配布して、休暇の取得などについて上司と面談する取組を開始しました。それらの結果、東京都の男性職員の育休取得率は14.6%になりました。まだまだ少ないですが、以前と比べると確実に増えています」

夫婦の話し合い、役割分担の大切さ

パネルディスカッションの様子

 男性の家事・育児参画を進めるためには職場環境の改善が必要であることがわかりました。では家庭においては何が必要なのでしょう。家庭での自分の振る舞いについて熱く語ったのは金子さんでした。

 「夫婦だからといって、なんでもうまくいくわけではないですよね。ぶつかり合うこともあるでしょう。しかし、そのときに逃げずに向き合っていくことが大切だと思っています。私は人と話すことが好きなので、子供が寝た後に妻と最近の出来事や子供の習い事などについて話し合っています。家にいるときは料理もしますし、台風が来たときには、『ここは父親の出番だろう』と思って、家の防災対策もしました。一番大切にすべきなのは妻の気持ちだと思っています。やっぱり笑顔がみたいじゃないですか。妻を笑顔にするためには何をしたらいいのか、常に考えています」

 小泉さんの家庭での様子はこうでした。
 「平日の夜は家庭のことをほとんど妻に任せているので、その分、朝に食事を作って、子供を学校に連れて行くようにしています。あとは週末ですね。朝から何回オムツを替えたんだろうという日もあります。妻は元同僚なので、私が忙しいときを理解してくれている。その点はありがたいですね」

 一方、東京都はパパやママのサポートにも力を入れています。小池知事が都の施策を説明しました。
 「東京都では、子供を一番に考えるチルドレンファーストに基づいた持続可能なサポートをしています。例えば来年度からは、『とうきょうママパパ応援事業』と銘打ち、出産直後の家事・育児負担を軽減するため、ベビーシッターや家事支援ヘルパーなどの『家事育児サポーター』を派遣したり、1歳児の子供がいる家庭に対して子育て支援情報の提供や家庭の状況把握等を行い、応援メッセージを添えた育児パッケージを配布したり、多胎児家庭に向けた支援を強化するなど、さまざまな支援策を展開します。」

家庭と職場の変化で相乗効果

 職場での取組み、家庭での取組関するゲストの話をまとめて、モデレーターの林田さんが指摘したのは次のようなポイントでした。
 「家庭と職場は密接な関係にあるようです。両者はシームレスになっていて、相乗効果を生んでいくものではないかと思いました」

 メルカリの小泉さんも同じ見方のようです。
 「以前の職場で、出産して職場に戻ってきた女性が見違えるように仕事をテキパキとこなすように変わった姿を見て、家族の存在が仕事に大きく影響があるのだなと実感したことがあります。メルカリで家族のサポートに力を入れているのは、それが仕事に好影響を与えるという相乗効果に期待しているからです。ライフワークバランスが良くなることで、企業が成長していくと感じています」

パパズ・スタイルは一つじゃない

 職場、家庭、職場と家庭の関係という視点で意見が交わされてきた今回のシンポジウム。最後は登壇した3人からのメッセージで締めくくられました。

「女性が輝くTOKYO懇話会~職場が変わる!意識も変わる!!~パパズ・スタイルはじめよう~」(東京都主催)の様子

 まず金子さんからです。
 「模索しながら家事や育児に向き合って行くと、その先にはたくさんの喜びや幸せ、発見があると感じています。だから、一緒に頑張っていきましょう!」

 小泉さんから次のようなメッセージ。
 「パパズ・スタイルは、100人いれば100通りあると考えています。夫婦それぞれに得意不得意はあるでしょうし、家庭によって夫婦の役割分担は違うはずです。自分たちのスタイルを確立するためにも家庭でのコミュニケーションが大事だと考えています。また職場の環境や働き方を変えていくには、働く者同士の相互理解が必要。ここでもコミュニケーションが大事です」

 最後に小池知事からは男性の家事・育児参画推進に向けた決意が語られました。
 「男性の家事・育児参画を通じて女性の活躍を応援することは、持続可能な社会作りに繋がることだと改めて感じました。女性が輝けば男性も輝く。そしてママとパパが輝くと、子供が輝く。さらに子供が輝けば、さらにその先の世代も輝く。人が輝いてこその東京です。これからも人を柱に施策を進めていきたいと考えています」